March, 1, 2017, Cambridge--ハーバード大学工学・応用物理学(Harvard John A. Paulson School of Engineering and Applied Sciences (SEAS))の研究グループは、可視光で光を高効率に集束させる新しいフラットレンズを発表した。そのレンズは、超薄型ナノピラーアレイを用い、透過する光を曲げ、集束させる。
発表当時は、一度に1色しか集束できなかったが、研究グループは、さらに開発を進めて今では、青から緑まで連続周波数帯域で機能する初のフラットレンズを開発した。LEDの帯域に近いこの帯域は、イメージング、分光学、センシングで新しいアプリケーションに道を開くものである。
フラットな広帯域レンズの開発で難題の1つは色分散の補正であった。
色分散の補正、分散エンジニアリングは、光学における重要トピックであり、多様な色の光を扱う光学系の重要な設計要件である。フラットレンズの色分散制御能力は、アプリケーションを広げ、これまで可能でなかった新しいアプリケーションを可能にする。
色分散のないレンズ、アクロマティックレンズの設計で、チームはメタレンズの中核となるナノピラーの形状、幅、距離、高さを最適化した。先行研究と同様、研究チームは酸化チタンを大量に使用してナノスケールアレイを作製した。
この構造により、メタレンズは、490nm~550nmまでの波長を色分散なしで集束することができる。
「このプラットフォームは、1段階リソグラフィに基づいており、ナノインプリンティングなど、高スループット製法に適合している」と論文の共著者、Zhujun Shiはコメントしている。