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メタル型光スキャナを用いた測距センサを開発

December, 22, 2016, 大東市--船井電機は、産業技術総合研究所(産総研)エレクトロニクス・製造領域 先進コーティング技術研究センターが開発した光走査素子(メタルミラー)をもとに大面積走査用の測距センサを試作開発した。
 産総研では、十数年前よりエアロゾルデポジション法(AD法)と呼ばれる独自のセラミックスコーティング技術で圧電膜駆動による光走査素子の研究に取り組んできた。その中で産総研独自のラム波共鳴駆動原理とメタルベース構造を考案し、光学素子の性能向上とコスト低減とが可能であることを発表した。
 光走査素子は、レーザやLEDなどの光を走査(スキャン)させるデバイスで、レーザプリンタやプロジェクタなどの製品に幅広く利用されている。産総研が独自に考案したラム波共鳴圧電駆動方式のメタルミラーは、低コストで高速な走査速度と広い走査角度の両立を実現させ、これまでの技術課題を解決する光走査素子。
 船井電機は、産総研から技術移転を受けて実用化開発を進め、それを応用した測距センサの試作品を開発した。この試作品は、メタルミラーの特性を活かし、低コストで従来にない約4m2 の大面積の広角検知が行えるTOF(Time of Flight)方式の測距センサ。
 この測距センサに用いた光走査素子の試作品は、20mm×25mmのミラー反射面積を持ち、15 Hzで共振動作するメタルミラーで、TOF方式に必要な受光感度を確保した。また、独自の構造設計と制御方式により広い温度範囲で実製品に適用可能な1%以下の変動幅を実現した。
 今後は、同試作品をもとに検証を行い、光走査素子としてのメタルミラーの信頼性向上、また、その応用デバイスの性能および信頼性向上を図るとともに、市場・業界からの声を反映させ、より有益・有効な光走査素子、応用デバイスに仕上げていくことになる。
(詳細は、www.aist.go.jp)