October, 25, 2016, Cambridge--MITとハーバード大学医学大学院(Harvard Medical School)の研究グループは、生体適合、伸縮自在ハイドロゲル光ファイバを開発した。曲げることができるこのファイバは、いずれ体内にインプラントして、治療のために光パルスを送り、病気の初発症候で光る。
研究グループによると、ファイバは長期的インプラントに使え、壊れることなく、身体とともに曲がったり捻じれたりする。
光を使って細胞を活性化する、特に脳の神経の活性化は、光遺伝学という非常に活発な分野であり、研究者は針のようにファイバを使って光パルスを目標の組織に送り、LED光を照射する。
MIT機械工学部、Xuanhe Zhao准教授は「ファイバが脳の柔軟性、柔らかさに適合するなら、長期的にもっと効果的な刺激、治療を提供できるのだが」とコメントしている。
研究チームは、伸縮自在のエレクトロニクスを作るために金属センサやLEDsなど様々な表面にハイドロゲルを貼り付ける方法を考案した。
光ファイバにハイドロゲルを利用する考えは、ハーバード医学大学院のバイオオプティクスグループとの議論の成果である。准教授Seok-Hyun Yunのグループは以前にハイドロゲル材料から光ファイバを作製し、光伝搬に成功している。しかし、その材料は曲げたり、少し伸ばすと壊れてしまった。Zhaoのハイドロゲルは、それに対して、伸びたり曲がったりする。両グループは共同で、ZhaoのハイドロゲルをYunの光ファイバ設計に組み込む方法を探した。
Zhaoのハイドロゲル材料は透明であり、コア材料に適した屈折率を持っていた。これにクラッドとなるポリマ溶液を結合するために、溶液に共役化学物質を加えた。これにより、両材料の外面に化学結合が生成した。
「クラッドのカルボキシル基とコアのアミノ基が分子レベルの接着剤のようにぴったりとくっつく」とMITの院生Hyunwoo Yukは説明している。
研究チームは、様々な長さのファイバにレーザ光を入れてその光ファイバの光伝搬能力をテストした。各ファイバは、大きな減衰もなく、光を伝送した。また、ファイバは元の長さの7倍以上に、壊れることなく伸ばせることを確認した。
研究チームは、ファイバ長に沿って特定の点に赤、緑、青色の有機色素を乗せ、次にファイバにレーザ光を入れて、例えば赤色の領域を伸ばした。ファイバ全体を透過する光スペクトルを計測し、赤い光の強度を記録した。この強度は、その領域が引き伸ばされた結果、赤い染料が吸収した光の量と直接関係していると推測した。
ファイバの遠端の光の量を計測することで、ファイバがどこで、どの程度伸ばされたかを定量的に判断することができる。
そのような伸縮自在で歪をセンシングする光ファイバは患者の腕、脚の長さに沿ってインプラントし、運動能力の改善サインのモニタに使えると研究チームは考えている。
Zhaoは、ファイバは病気の兆候に反応して発光するセンサとしても使えると考えている。
また、ファイバは病気の兆候に反応して光るので、センサとしても使えると考えている。
「腫瘍や炎症の光学的モニタに、長期的診断に光ファイバを使うことも可能だ」とZhaoはコメントしている。