October, 24, 2016, Pullman--ワシントン州立大学(WSU)の研究チームは、一度に数個のサンプルを分析してガンバイオマーカーを検出できるスマートフォンベースのローコスト、ポータブルラボを開発した。検出結果はラボ品質である。
WSUの研究チームは、ヒトのインターロイキン-6(IL-6)を検出できる8チャネルのスマートフォン分光計を開発した。IL-6は、肺、前立腺、肝臓、胸および上皮ガンのバイオマーカーとして知られている。分光計は、光スペクトルを計測することでサンプルの化学物質の量とタイプを分析する。
スマートフォン分光計は存在するが、それらは一度に1個のサンプルをモニタあるいは計測するだけなので、実際のアプリケーションには非効率である。研究チームのマルチチャネル分光計は、ELISAという共通テストを使用して一度に8つの異なるサンプルを計測できる。ELISA、つまり酵素免疫測定(吸着)法は、抗体や色変化を疾病バイオマーカーとして特定する。
研究グループは、スマートフォン分光計を標準ラボ制御サンプルで使用しただけだが、デバイスは最大99%の正確さだった。研究グループは、このポータブル分光計を実世界の状況に適用しようとしている。
「8-ch分光計で8種のサンプルに同じテストを行う、あるいは1つのサンプルに対して8種の異なるテストを行う8つの異なるウエルで利用する」とこの研究の特許を申請した准教授、Lei Li氏は説明している。
「この分光計は、特に施設内にLabを持たない診療所や病院、あるいは海外、遠隔地で活動する医師にも有用である」と同氏は話している。
デバイスの設計は、iPhone5で動作する。同氏は、どんなスマートフォンにも適応する調整デザインを作成中。