October, 13, 2016, Washington--干渉計は、重力波の検出から体内の分子の相互作用の分離まで無数の利用法がある。この計測器は、光遅延を使って光ビームを操作することで、そうした微小な計測を行う。これは一般に、ビームパスの一方を長くし、信号を遅らせることで達成される。新開発は、時間の代わりに空間の光ビームを解析する新たな方法を開拓するものである。今回、セントラルフロリダ大学とロチェスタ大学の研究チームが、時間に関係ないディレイを導入する方法を見出した。
研究は、量子力学フォーマリズムの古典的光学の実行との関連に対する評価の高まりに立脚し、「オプティクスに欠ける光学デバイスを提供するものである」と共著者、Ayman F. Abouraddyはコメントしている。同氏は中央フロリダ大学光学・フォトニクス准教授。
干渉計は、一般に、光ビームを2つのパスに分け、続いてそれを再びいっしょにするデバイス。パスの一方に「ディレイ」(遅延)を導入することで、研究者は干渉図を得る。干渉図(インタフェログラム)とは、光の波が相互干渉することで形成されるパタン。
デバイスは一般に、ミラーとビームスプリッタの複雑なアレンジで構成されている。ビームスプリッタは、光ビームを2つに分けるデバイスで、干渉計で最も重要視される。ほとんどすべての光学干渉計にはチューナブルディレイが組み込まれている。
新しい研究では、研究チームは「ヒルベルト空間アナライザ」というデバイスを開発した。これは、「一般化されたディレイ」を導入することで一種の一般的なビームスプリッタとして動作するものであるが、ビームパスに余分な長さを追加することを回避している。代わりに、空間光変調器を利用してビームを操作して変形する。
従来のディレイは、光信号のスペクトルを得るために使用することができる。つまり光学干渉計により波長、周波数からの信号を得る。一般化されたディレイは、モードセットとしても知られる他の波形の光ビームへの寄与を引き出すために使うことができる。
Abouraddy氏は、「われわれは新しいモードセットのために新しいアプローチを見つけ出す必要がない。ヒルベルト空間アナライザが、全てのモード解析ニーズのワンストップショップとなるからだ。当面、ヒルベルト空間解析の最も興味深いアプリケーションは、光を使って情報を伝達する光通信にある」と話している。その技術は、コストあるい他の条件で、物理的な接続が実用的でないところで有用である。
(詳細は、www.osa.org)