September, 7, 2016, Arlington--DARPA支援の研究者が、室温で超薄材料合成に新たなアプローチを開発した。これは、温度800℃を必要としていた業界のアプローチに対するブレイクスルーである。この進歩は、これまで達成できなかった多くの薄膜マイクロエレクトロニクス作製に道を開くものである。薄膜エレクトロニクスは、高温にさらされたとき重要機能を失うコンポーネントが多いため、従来の方法では、不可能であった。
新しい方法、電子強化原子蒸着法(EE-ALD)は、DARPAの材料合成局所制御(LoCo)プログラムの一環としてコロラド大学(CU)で最近開発された。CUチームは、多くの先進的マイクロエレクトロニクスの基軸要素であるシリコンとガリウムナイトライドの室温堆積、特殊材料を制御性よくエッチングする機能を実証した。これにより3Dで精密な空間制御が可能になる。デバイスアーキテクチャに対する要求がますます小型化しているので、このような能力は極めて重要。
2015年早期にプロセスを初めて実証した後、チームメンバーは、膜の成長にとってEE-ALDの性能をどのように引き出し制御するのがベストであるかを知るために詳細な反応メカニズムの研究を行った。ALDサイクル中の電子エネルギーを制御することで、材料の堆積か除去かのいずれかに有利に働くようにプロセスを調整できることを発見した。堆積した材料を室温条件下で電子により選択的に除去(エッチング)する能力は前例がなく、膜品質を強化すると期待されている。研究グループは、特殊材料をエッチングする他の方法も研究している。例えば窒化アルミニウムや酸化ハフニウムなど、特殊なエレクトロニクスアプリケーションで重要な材料。クループは、これらの材料の混合物を選択的にエッチングできることを示した。これは、従来のマスキングアプローチに対する魅力的な代替手段を提供することになる。
CUは、EE-ALDプロセスの工業関連性と拡張性を実証するために特注堆積チャンバも構築した。これは、工業規模の6インチシリコンウエハ上に多材料で構成される膜を堆積または除去することができる。原理的に、その方法は、さらに大きな基板へ、また並列的に同時に多くのウエハプロセスに拡張可能である。研究グループは現在、3Dで膜組成や特性の制御性を高めるためにEE-ALDプロセスの広範なパラメタスペースを理解しようと取り組んでいる。