September, 5, 2016, Espoo--アールト大学(Aalto University)の研究チームは、量子コンピューティングの情報コーディングへのマイクロ波信号の適用性を実証した。この分野の以前の開発は、光システムに注力していた。
研究チームは、超伝導量子干渉デバイス(SQUID)として知られる超高感度計測デバイスに基づいたマイクロ波共振器を使用した。研究では、共振器は冷却されてほぼ絶対零度に維持された。ここではどんな熱運動も凍結される。この状態はは、完全な暗闇に相当し、フォトンは全く存在しない。
しかし、この状態には、非常に短時間にフォトンの出入りの波動が存在する。研究チームは、このような波動を、多様な周波数で、マイクロ波放射の実光子に変換することができ、いわば闇は単なる光の欠如以上であることを示した。
これらの光子が、あたかもそれらの間に魔法のつながりがあるかのように、相互に関連していることを確認した。
「われわれの実験セットアップで、マイクロ波信号の複雑な相関関係を制御的に作ることができた」とDr Pasi Lähteenmäkiはコメントしている。同氏は、同大学低温研究所で博士論文研究中に研究を行った。
「このすべて、量子コンピューティングで多様な周波数が使えることを示唆している。異なる周波数のフォトンは、古典的なコンピュータにおける記録と同じ役割を果たす。また、それらの間で論理ゲート動作も可能である」と同大学シニア講師、Sorin Paroanuは話している。
研究成果は、量子コンピューティングに新たなアプローチを提供している。
「今日、将来の量子コンピュータの基本的アーキテクチャが世界中で積極的に開発されている。マルチ周波数マイクロ波信号を用いることで、代替アプローチが追究可能であり、これは連続的な量子測定により論理ゲートを実現できる。さらに、この共振器で生成されたフォトンを使えば、物理的な量子ビット、qubitsは不要になる」と同大学低温研究所のPertti Hakonen教授は説明している。