June, 29, 2016, Raleigh--ノースカロライナ州立大学の研究チームは、従来技術で必要とされていたマルチサンプルではなく、光の単一空間サンプリングをベースにした偏向検出と計測のための新しいツールを開発した。新しいデバイスは、偏向検出と計測に、従来のシリコンではなく、有機ポリマ固有の特性を利用する。
新しいデバイスは、有機ポリマ導体でできた3つの偏光ディテクタを持つ。個々のディテクタが、偏向の特定の方向に感度を持つ。光がデバイスに入ると、最初のディテクタが偏向の1方向を計測し、残りの光は透過する。これを後続のディテクタで反復すると、各ディテクタは効率よく光の同一ビームの部分偏向計測ができる。3ディテクタすべての計測は、光の偏向全体を計算するモデルに送られる。
「ほとんどのタイプの偏向、特に自然環境では、大きな直線偏向シグネチャとなっている。したがって、光サンプルで直線偏向状態計測には3計測で十分である」と電気・コンピュータ工学准教授、Michael Kudenovは話している。
従来技術は、多数の光サンプルを利用している。これらは、異なる時間に取得する、あるいは同時ではあるが空間の異なる点から取得するものであるが、これは計測精度に影響を及ぼす。
研究チームは、レーザを使って新しいデバイスのテストを行い、最初の概念実証データを取得した。早期テストでは、デバイスの計測エラーは1.2%のレベルだった。
Kudenovは、「出だしとしては良いが、市販の最良ディテクタのレベルに達していない。しかし、デバイスの設計を改善することで計測エラーを大幅に減らすことができる」と楽観的に語っていた。
論文“Intrinsic coincident linear polarimetry using stacked organic photovoltaics,” はOptics Express.に発表されている。