June, 27, 2016, Wellesley--BCCリサーチの調査によると、環境に優しい技術や環境問題への関心の高まりが、分光計測装置の需要を刺激してきた。
同社の新しいレポートは、薬品、環境、食品業界では新しい分析装置に対する需要は小幅成長と予測している。また、次世代分析ツールの開発強化も市場成長の主因になっている。
分光分析は、化合物の原子および分子組成を見つけ出す。この技術は、薬品、バイオテクノロジー、飲食、環境、その他多くの産業で幅広く用いられている。
世界の分光学市場は、2015年、2020年それぞれで、135億ドル、156億ドルに達する見込みで、これは5年のCAGR 2.9%成長を反映している。ヨーロッパ市場は2014年の40億ドルから2015年に37億ドルに落ち込んだが、今後5年はCAGR 1.3%成長で2020年には約40億ドルに回復する見込み。
最近の市場の成長は、主に薬品、バイオテクノロジー、環境、飲食産業からの技術開発と需要に由来するものである。分光製品は、効率的、ユーザフレンドリで安価な分析技術の開発で効果を実証してきた。環境に優しい技術への関心、環境懸念の高まりが、こうした装置の需要拡大、堅調な市場につながってきた。
米国、カナダ、ヨーロッパ諸国は重要な市場プレイヤにとどまっているが、中国、インド、その他のAPAC諸国は、現在および将来の分光測定器の成長で役割を担う。米国とヨーロッパでは、環境規制の厳格化にともなう資源抽出要求の増大が分光計の利用増を刺激している。これは、採鉱会社がこれらの分析機器を使って鉱物埋蔵量を調べるためである。また、金属、半導体、自動車製造、化学などの様々な産業市場が、学術および政府支出の継続的な成長と相俟って予測期間を通じて産業を刺激すると見られている。
「過去10年、分光市場全般は、薬品、環境および食品産業で新たな分析装置の利用が適度の成長を記録した。より高精度の分析ができる次世代分析ツールの開発が増加している」とBCCリサーチのアナリスト、Shalini S. Dewan氏はコメントしている。さらに同氏は「R&Dの増加、食品の安全における厳しい規制、増え続ける人口が主要な市場牽引力となる。分光装置企業は、分析品質向上のために、先進的なハンドヘルド、小型の装置を考案している。加えて、増え続ける政府支出も市場の成長をサポートすると見られている」と分析している。