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発光ナノ粒子をガラスに埋め込み、スマート化する方法を開発

June, 21, 2016, Adelaide--アデレード大学(University of Adelaide)の研究チームは、特性を失わせることなく発光ナノ粒子をガラスに埋め込む方法を開発した。これは3Dディスプレイスクリーン、リモート放射センサなど「スマートガラス」アプリケーションに向けた大きな前進である。
 この新しい「ハイブリッドガラス」は、特殊発光ナノ粒子特性と、よく知られた透明なガラス面を統合しており、微細光ファイバを含む様々な形状に加工できる。
 「この斬新な発光ナノ粒子は、アップコンバージョンナノ粒子と言い、生体センシング、生体医学イメージング、3D立体ディスプレイなど様々な超ハイテクアプリケーションの有望な候補となっている」とアデレード大学物理科学学部、フォトニクス&先進センシング研究所(iPAS)、論文の筆頭著者Dr Tim Zhaoは説明している。
 「このようなナノ粒子を、通常は不活性なガラスに統合することで、新しいハイブリッド材料やデバイスの可能性を開くことになる。こうした材料は、これまでは不可能だった方法でナノ粒子を利用することができる。例えば、現在の神経科学者は、脳に注入した染料とレーザを使ってガラスピペットを関心のある個所へ導くことができる。もし蛍光ナノ粒子がガラスピペットに埋め込まれていたら、そのハイブリッドガラス固有の発光が、トーチのように働いて直接ピペットを関心のある個別ニューロンに案内する」。
 この方法は、アップコンバージョンナノ粒子で開発されているが、研究チームは、このダイレクトドーピングアプローチが、フォトニック、電子および磁気特性を持つ他のナノ粒子にも一般化できると考えている。ナノ粒子の特性によって、アプリケーションはたくさん存在する。
 「放射能に感度があるナノ粒子をガラスに注入し、そのハイブリッドガラスをファイバに線引きすると、核施設に適したリモートセンサが誕生する」とDr Zhaoは言う。
 これまで、アップコンバージョンナノ粒子をガラスに集積するために使われる方法は、ガラス内のナノ粒子のその場成長に依存していた。
 「新しい直接ドーピング法は、ナノ粒子とガラスを分離合成して、適切な条件を用いてそれらを統合する必要があるので、ナノ粒子を完全なままの状態に保ち、ガラス全体によく分散することができた。ナノ粒子は機能を保ち、ガラスの透明性は、元の品質に極めて近いままである。われわれは、光ベースの技術に向けてハイブリッドガラスとデバイスの全く新しい世界に向かって進んでいる」とIPSAデピュティディレクタ、Heike Ebendorff-Heideprem教授、プロジェクトリーダーは、話している。