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UMD研究チーム、テラヘルツディテクタでブレイクスルー

May, 26, 2016, College Park--メリーランド大学(UMD)の研究チームは、モナシュ大学、米国海軍研究所(United States Naval Research Laboratory)と協力して、チューナブル大面積ハイブリッド金属-グラフェンテラヘルツディテクタを開発した。これは、金属電極に接続したグラフェンマイクロリボンにおけるプラズマ共鳴の実証実験成功に基づくイノベーションであり、実用的なグラフェンテラヘルツオプトエレクトロニクスデバイスへの重要な一歩をなす。
 グラフェンは、ピュアカーボンの2D格子であり、伝導性が高く、特有の電子・光特性を持つ。これは、センサ、共振器、電子部品、フィルタ、ディテクタなど、様々なアプリケーションに適している。グラフェンは、特にテラヘルツ領域で有用である。これは、この周波数で物質の自由電子が集団的に共鳴するからである。共鳴周波数は、ゲートで電圧を印加することで調整可能。共鳴周波数を調整できるとは、共振器を調整できと言うことであり、このためアプリケーションは広い。
 今回の開発は、短距離ワイヤレス通信の速度向上力を飛躍的に高める可能性があり、デバイス間の高品質コンテンツ伝送に必要な時間が削減できる。また、空港でのセキュリティスキャニング手段提供の可能性もある。
 これまで、テラヘルツセンサにグラフェンを使用することは主に理論上の話だった。結果を読み出したりセンサを調整するためにはグラフェンが金属面に接触しなければならないからである。また、このことは、これまではプラズモン共鳴を妨げると考えられていた。しかし研究チームは、接触部で電荷の蓄積を妨げない新しいデザインを考案し、信号をグラフェンから金属の電気接触部に非常に効果的に伝えることができるようになった。
 電気接触部、つまりグラフェンと結合したアンテナは、何年も前から研究者を悩ましてきた問題であるが、これを解決するアイデアは、ECE院生Mehdi Jadidiのものである。
 同氏の発見はこの分野を発展させる可能性があり、研究チームはさらに研究を進め、商用化に向けて開発を継続していく。
(詳細は、www.umd.edu)