May, 25, 2016, Enschede--トゥエンテ大学のMESA+研究所は、研究パートナー、スピンオフ企業Solmatesから先進的パルスレーザデポジション(PLD)システムを購入した。
この装置は、新しい材料やチップ(個々のチップ素子)の開発に道を開く。これらは、それぞれわずか1原子厚の一連の層として製造される。新しい装置によって、MESA+NanoLabの多くの研究者や外部の利用者が今後産業規模で開発に取り組むことができるようになり、MESA+は業界に対する地位をさらに強化できる。結果として、これまでにないエレクトロニクスや先端材料の分野で新しい科学的知見へのアクセスがより容易になり、早期に実用的なアプリケーションに適合できるようになる。
MESA+、トゥエンテ大学(University of Twente)のナノテクノロジー研究所は、単原子層で構成される極薄層の開発で先行している。これには、材料をプラズマに変換するレーザを使う必要がある。プラズマは、次に表面上で凝縮されて極薄層を形成する。多数の極薄層を積層することによって、これまでにない特性を持つ全く新しいチップや材料を開発することができる。その技術の一部は、トゥエンテ大学で開発されたものだが、Pulsed Laser Deposition(PLD)として知られている。SolmatesのCEO、Arjen Janssens氏は、2020年ごろまでにPLDは標準的なチップ製造システムの1つに進化していると考えている。
こうした目的のために以前に大学で使用されていた装置の限界は、相対的に小さなエリア(10×10㎜)でしか加工できなかったことである。MESA+が購入した新しい装置は、遥かに大きなエリアにパタンを形成することができる。MESA+ NanoLabを利用する研究者は直径20㎝(Siディスク)にパタンを形成することができる。つまり、研究所の研究成果、開発された新技術は、直接産業に適用できると言うことである。さらに、その新しい装置は非常に使いやすいので、それを使うことができるユーザの数は一層多くなる。MESA+の工業技術ディレクタ、Janneke Hoedemaekeers氏は、これを産業化への大きな一歩であると見なしている。「この装置には多くの新しい特徴がある、それによってわれわれは活動を研究室規模から産業規模に向上させることができる。そうなると、われわれは業界との提携を強化し、われわれの技術、プロトタイプ、知見が早期に応用できることを確認できる。また、酸化物材料などの複合材料とSi技術との組み合わせで、この装置は特別な機能を提供してくれる」と同氏はコメントしている。したがって、新しい装置は、先端材料や未知のエレクトロニクス分野でMESA+で行われている研究と完璧に調和すると言える。