January, 7, 2014, Valencia--バレンシア大学ICMol(Institut de Ciència Molecular)、Hendrik Bolink研究グループは、高いパワー変換効率を持つ薄膜ローコストPVデバイスを開発した。この研究成果はスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)との共同研究によるものである。
ICMolの研究グループが開発した太陽電池は、2枚の極薄有機半導体で挟まれたペロブスカイト薄膜で構成される。デバイスの厚さは1/2μm以下。ハイブリッド有機-無機ペロブスカイト材料は簡単にローコストで作製できる。Hendrik Bolink氏は、「これらのデバイスは、印刷業界で使用されるものと同じ低温工程で作製できるので、柔軟なデバイス作製を可能にするプラスチック基板が利用できる」と説明している。
また、デバイスは半透明にでき、非常に薄くて軽量であるので建物の外観に組み込むことも可能である。このようにすると、強い太陽光から建物の内部を保護しながら、同時に電気も生成できる。
太陽光を電気に変換するほとんどの太陽電池は結晶シリコンベースであるが、それ以外は多結晶薄膜電池、主にカドミウム・テルル/カドミウム・サルファイド。これらの薄膜電池は、製造は安価であるが、希元素、毒性のある元素をベースにしている。したがって、ペロブスカイト太陽電池で用いられる豊富で安価な材料をベースにした薄膜太陽電池の高効率実証は、再生可能資源における太陽エネルギーのシェア拡大に寄与することになる」とDr. Bolinkは話している。
(詳細は、Nature Photonics)