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金属用3Dプリンターを用いたハイエントロピー合金の積層造形技術を開発

February, 17, 2016, 東京--日立製作所(日立)、および、東北大学(東北大)は、金属用3Dプリンターを用いた、強度と耐食性に優れたハイエントロピー合金(HiPEACE)の積層造形技術を開発した。
 従来の手法による金属用3Dプリンターでの製造と比較して、1.2倍の引張強度である1300 MPaと耐食性の指標である孔食電位が1.7倍となる0.85 V vs Ag/AgClを備え、組成ムラが無く、均質で複雑な形状の部品を製造することが可能。今回開発した技術を適用し、複雑な形状を有する部品の試作に成功した。強度と腐食耐性が要求される化学プラントなどの設備用部品を製造する際にこの技術を用いることで、設備の長寿命化や稼働率向上に寄与する。
化学プラントや油井、ガス井掘削設備などの部品は、強い腐食性ガスにさらされる環境下で使用され、安全性を確保するために高い強度と耐食性が求められる。日立と東北大は、引張強度や耐摩耗性および高温酸化や酸・アルカリ環境下での耐食性に優れることが報告されているハイエントロピー合金に着目し、2014年より高強度・高耐食な部品製造技術の開発を進めてきた。ハイエントロピー合金は多種類の元素で構成されているため、鋳造時に組成ムラを生じ易く、高硬度のために加工が難しいという課題があった。金属用3Dプリンターを用いる際、製造時に高硬度の金属間化合物を網目状に析出させることにより、鋳造時に比べて引張強度を1.4倍高めることに成功。しかし、実用化に向けて、さらなる引張強度と耐食性の向上が求められていた。
日立と東北大は、金属用3Dプリンターを用いた製造工程のうち局所溶融・急冷凝固プロセスを最適化したハイエントロピー合金(HiPEACE)の積層造形技術を開発した。