January, 7, 2014, Philadelphia--花のような形状の3D液晶アレイを昆虫の複眼のようなレンズとして使用できる。
ペンシルバニア大学の材料科学、化学エンジニア、物理学者からなる研究チームは、組立構造の媒体として液晶を利用することで成果を上げた。
初期の研究で同チームは、液晶、ナノスケールのグリッドおよびリングに繰り返しパタンの「欠陥」、有益なディスラプション(破れ)を造り出した。新しい研究では、さらに複雑なパタンを一段とシンプルなテンプレートから造り出した。これは花の形をした3Dアレイになっている。
この「花」の花弁が透明な液晶でできており、中心から放射状に広がっているので、その組み合わせは複眼に似ており、レンズとして使用できる。
以前の実験で当初の条件は、小さなポール(柱)で構成されているテンプレートだった。その研究の1つでは、ポールのサイズ、形状あるいは間隔を変えることで、その上に置いた液晶面の欠陥パタンに相応の変化が現れることを示した。別の実験では、個々のポールの廻りに欠陥の「フラフープ」が造れることを示した。これは表面に欠陥の輪を造る第2のテンプレートとして機能するものである。
最新の実験では研究チームは、もっと簡単な因子を使った。
「このような液晶を格子状の何か、正確な規則性のある特徴を持つテンプレートの上に成長させる前に、シーズを埋め込んでいる」(物理学/天文学部教授Randall Kamien氏)。
この場合、シーズは石英ビーズ、基本的には、磨いた砂粒。液晶プールの上に置くと、花のような欠陥パタンが個々のビーズの廻りに成長する。
ビーズの表面張力によってこれらの花弁が層状、凸状に整序される。さらに液晶は光と相互作用するので、アセンブリ全体がレンズとして機能し光をビーズの下のある点に集中させることができる。
「それは昆虫の複眼のようでもあり、最大級の望遠鏡のミラーのようでもある。このようなシステムの研究をさらに進めるにしたがい、この種のレンズを注文通りに造れるようになり、それを使って光を制御できるようになる」とKamien氏はコメントしている。
この種の制御されたアセンブリは、光スイッチの作製や他のアプリケーションでも使える。
(詳細は、Physical Review X)