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通信ネットワークを改善する新しい光トランスミッタ

February, 8, 2016, Washington--Nokia Bell Labsの研究チームは、大量の情報を効果的に処理するために、最適化された柔軟な新しいネットワークの重要コンポーネントとなるデバイスを開発した。
 帯域可変トランスミッタ(BVT)は電気信号を光信号に変換するが、帯域は必要に応じて変えることができる。さらに、このデバイスはサービスを中断することなく機能する。すなわち、「ヒットレス」である。
 Nokia Bell LabsのArnaud Dupas氏は、「これは、光伝送ネットワークでヒットレスにビットレートを変え、データを伝送できる初めてのトランスミッタである。ネットワーク需要が伸び続けるにしたがい、このデバイスはシームレスにネットワークを最適化し柔軟にする将来の光ネットワークを可能にする」と語っている。
 このデバイスは、OFC2017で発表される。
 データトラフィックの成長により、柔軟な光ネットワークの開発が必要になっていた。そのようなネットワークでは、幅広いタイプ、伝送レートに対処できる柔軟性を持つ。しかしこのようなネットワークがなければ、トラフィックは1日の時間と需要の変化に依存して動的である。
 信号は、単に1つの点から別の点に送られるわけではない。ネットワークノードは、信号を選択し方向を変え、別のレベルの変動性を付与するフィルタリング機能をもっている。さらにネットワークそのものは時間とともに絶えず進化している、そうしたフィルタリング機能は、追加され変わるからである。
 多様な帯域に合わせて調整できるトランスミッタによって、非実用的で高価なインフラストラクチャを絶えずアップグレードすることなしに、最適化されたパフォーマンスが可能になる。
 ほとんどのBVTは、光信号のフォーマットを変えることで機能する。つまりデジタルとアナログフォーマット間の変換である。しかし、ベル研のチームの新しいBVTは、代わりにシンボルレート、つまりボーレートを変える、これは1秒あたりに伝送される信号のイベント数である(単一の信号イベントは1または数ビットの情報をエンコードできる)。
 シンボルレートにフォーカスすることの利点は、エレクトロニクスの実装が簡単になり、経済性が高まることである。このアプローチはスマートな処理を実現しており、トランスミッタはヒットレスである。したがって、中断やデータロスなしで機能する。通常、トランスミッタは、中断すると再設定が必要になるが、これには数秒あるいは数分かかるので、トラフィックは止まる。しかし、新しいトランスミッタは、450ms以下で自己再設定する。
 このデバイスは市販の光トランスポートネットワークスイッチに接続し、ビデオやオーディオなどあらゆる種類の信号をアグリゲートし、トランスミッタを通して伝送する。ビットレート10~107Gb/sまでで動作する。
 BVTはまだプロトタイプである。次の段階では、ネットワークオペレータがフィールドテストし、ネットワークをエンド・ツー・エンドで制御するマネージメントソフトウエア、システムとそれを統合する。