Science/Research 詳細

Rensselaer、病院にスマート照明テストベッド導入

February, 4, 2016, Troy--レンセラー工科大学(RPI)のスマートライティング・エンジニアリングリサーチセンタ(ERC)は、ニューメキシコ州のニューメキシコヘルスセンタ大学(UNMHC)で自動照明研究のための新しい入院患者照明テストベッドを設置した。目的は、人の健康と病気に対する照明の効果を研究することにある。テストベッドは、全米科学財団(NSF)の助成を受けた多施設合同エンジニアリング研究センタプログラム成功の実証。
 病室に設置されたスマートライティングにより、LED照明が人の健康にどのように影響を与えるかについて初めて制御研究ができる。UNMの研究チームは、このファシリティを利用して、概日リズム障害、これまで適切なスペクトル、強度、タイミングの露光量に反応を示したうつ病、パーキンソン病、およびその他の神経疾患などの健康状態について研究を行う。
 ERCディレクター、Robert Karlicek氏は、「ERCでは、どんな時でも自動的に適切に照明を調整するスマートライティングを構築しようとしている。このような光は、適切な方向、適切な色と強度をもち、人の健康と生産性に最適化されるものである」とコメントしている。
 ERCによると、この照明テストベッドを特徴のあるものにしているのは、センサと照明制御の組み合わせと統合である。光が多様なスペクトル成分と強度をもつようにプログラムされているだけでなく、センサも絶えず室内の光をモニタし、照明の維持と制御のためにフィードバックしている。加えて、ひとたび照明が望ましい仕様に設定されると、光は一日中自動的に所望の照明スペクトルと強度のバランスを保つように調整する。例えば、曇っている時、ブラインドが上がっていても下りていても、部屋の照明は一定に保たれる。
 コンピュータ制御の照明システムは、ERC業界メンバー、Telelumen, Heptagon,およびAustria Microsystemsの最適化された製品を使用して設計された。同システムは、自然外光の日内変動、季節変動を模倣したり、睡眠覚醒障害やうつ病などの内科的疾患の処置に特にカスタマイズした品質の光を提供することができる。
 「この新技術によって古典的な概日リズム睡眠覚醒障害を研究できるだけでなく、うつ病や痴呆症(=認知症)などの行動障害に対する有効な光を研究することができる」とUNM-HSC睡眠障害プログラムディレクター、内科教授、Lee Brown, M.D.はコメントしている。
 テストベッドのセンサは、部屋の占有状態特定にも用いることができる。このシステムは、部屋の占有者の数と位置から、患者の睡眠/覚醒パタンまでの広範囲の多様性に対するフィードバックを収集することができる。また、患者が倒れたらナースステーションに警報を上げることもできる。これらすべては、プライバシー問題にかかわるカメラを使用する必要はない。
 Brown氏によると、専門設備を整えた部屋に関わる最初の研究は、夜更かしをする人が、1日を通して露光する光スペクトルを変えることで処置できるかどうかである。他の研究領域は、術後の混乱やICU精神病など病院で起こる状況から、化学療法を受けている患者、あるいはうつ病の患者の睡眠パタンに対する光の有効性まで、範囲は広い。
 「将来的には、だれでもこの技術を利用できるようになる。照明の効果についてもっとわかってくれば、医者が病気を予防し、健康な人の生産性向上にも実際に役立つようになる」とBrown氏は話している。