February, 3, 2016, 横浜--日立情報通信エンジニアリングは、これまで「人流計測サービス」として提供してきた、人流情報をレーザ・レーダー方式で計測し、広域における動線や滞留状況、人数などを解析してレポートを提供するサービスを、ソフトパッケージ化し、「人流計測ソフトウェア」としてライセンス販売を開始する。
このソフトウェアを利用することにより、人流データをビッグデータとして解析・利活用することが可能となり、セキュリティ設備や省エネ設備と連携したシステム構築やソリューションの提供が可能となる。
近年、IoTの到来により、膨大なデータがインターネットを介して収集できるようになり、蓄積されたビッグデータの利活用が活発化しつつある。同様に、公共施設や商業施設における、人の流れ(人流)をビッグデータとして捉え、分析・利活用することが注目されている。そのため、公共の空間、施設や店舗内外の人流を定量的に測定し、混雑の緩和や広告宣伝の施策への活用、施設のセキュリティや管理にも対応可能なサービスやソリューションが求められている。
人流計測は、人間の動きをカメラやセンサなどを用いて一定期間計測し、それらのデータを蓄積・分析することで、空間価値を定量評価し、有効かつ効果的な空間の利用を実現する。例えば、通行者や入店者などの人数計測だけでなく、動線や滞留状況、入店率や入店経路の分析による誘導・集客のためのレイアウトの改善や広告設置場所の検討、デッドスペースの有効活用などが可能となる。
日立の人流計測は、計測にカメラ方式ではなく、個人を特定することなく、プライバシーへの配慮が可能なレーザ・レーダー方式を用いている。この方式は、位置検知誤差精度が30cm以下と高く、リアルタイムに検知ができ、人体に安全な赤外線レーザを使用し、暗闇でも人の認識が可能という特長もある。また、複数のレーザ・センサを用いることで、計測エリアの拡張ができる(利用実績 約5,000平方メートル)。これまで、「人流計測サービス」として、導入コンサルからシステム構築、計測、レポート提供まで、人流計測をトータルでサポートし、効果的な施設レイアウト設計や空間デザインなどに利用されている。
日立は、その提供実績・経験から、人流計測サービスの中核となるソフトウェアをパッケージ化し、ライセンス販売する。これにより、コンサルティング会社やシステムインテグレータなど、ユーザ自身による人流計測が可能となる。また、年間ライセンス提供により、1回あたりの計測費用を抑えることができる。さらに、人流データの利活用を目的とした、オフィスや工場、倉庫などのセキュリティ設備、省エネ設備、他各種設備とのシステム連携にも対応が可能となる。
ライセンス販売では、レーザ・センサ、制御PC、ソフトウェアライセンスを基本構成とし、センサの台数に応じて、ライト、バリュー、カスタムの3つのパッケージを取り揃えている。
また、導入を支援するために、環境構築、運用、データ収集などの計測作業支援ツールやマニュアルをご用意し、教育にも対応する。
さらに、現地調査、システム方式・構成設計、センサ配置シミュレーション、オンサイト構築、オンサイト計測などの導入・支援サービス、各種レポート作成などのレポートサービスもメニュー化している。
常設で人流計測を行うユーザには、用途に合わせて施設や設備などへの「人流計測ソフトウェア」の組み込みにも対応している。