脳全体の詳細なRNA解析を可能にする新しいイメージング法

December, 9, 2024, Karolinska--Karolinska Institutet と Karolinska University Hospitalの研究者は、完全なままのマウスの脳全体で細胞レベルの分解能で詳細な3DRNA分析を可能にする顕微鏡法を開発した。その新しい方法は、TRISCOと言い、Scienceに掲載された研究によると、通常状態と病気の状態の両方でわれわれの脳機能理解を変革する可能性がある。

RNA分析の著しい進歩にもかかわらずRNAデータをその空間的コンテクストにリンクすることは長年、課題となっていた。取り分け完全な3D組織量の場合である。

TRISCO法により、これからは、以前には必要だった、脳を薄いセクションにスライスする必要時間に対しにマウスの脳全体の3D RNAイメージングが可能になる。研究は、Scienceに掲載された。

「この方法は、脳研究を前に進めることができるほど強力なツールである。TRISCOによりわわれは、以前には不可能だった方法で脳の複雑な解剖学的構造を研究することができる」とPer Uhlénは、話している。同氏は、Karolinska Institutet、Medical Biochemistry and Biophysics教授で、研究の責任著者。

研究では、3つまでの異なるRNA分子が同時に分析された。研究者の次のステップは、研究できるあるな分子の数を100程度まで拡大することである。これには、マルチRNA解析という技術を利用する。

これにより、脳機能および病気の状態について、もっと詳細な情報が得られる。

TRISCOアプローチは、脳の複雑さを徹底的に理解する新たな可能性を開き、これは様々な脳疾患の新たな治療の開発につながることになる。

「われわれは、研究を継続し、この新技術が提供する多くの可能性を探求することを楽しみにしている」とTRISCOの研究室のリサーチスペシャリストで、研究の著者であるShigeaki Kanataniはコメントしている。

もっと大きな脳のために使えるか
TRISCOが完全なマウス脳研究に適しているだけでない。研究は、もっと大きな脳、モルモットの脳のために利用できることを実証する、また、腎臓、心臓や肺のような様々な組織のために利用できることを実証する。

この研究は、Karolinska InstitutetとKarolinska University Hospitalのコラボレーションである。

「われわれの研究室は、Karolinska University Hospitaの臨床的に活発な研究者と数々の提携を行っている。基本的な研究者や臨床医は相互に提携し、理解し合う」(Per Uhlén)。