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分光法改良でキウイの熟度を、壊さず外から確認

November, 28, 2023, 名古屋--東海国立大学機構 名古屋大学大学院生命農学研究科の馬 特 特任講師、稲垣哲也准教授、土川 覚教授の研究グループは、近赤外飛行時間分光法(ToF)に基づいて、硬さが異なるキウイフルーツ内部の光吸収と散乱の違いを調べた。その結果、波長846 nm近赤外光の吸収係数はほぼ一定であったが、試料間固有の光散乱特徴が見られた。これは、果実を壊さず外からその熟度を評価できたことを意味する。

今後更なる研究により、これまでのスペクトル解析では障害だった光散乱を情報因子として扱い、多波長領域の吸収情報と散乱情報に分離して把握できれば、外部の要因によって影響が出にくい(ロバストな)硬度予測モデルの構築をはじめ、今まで達成できなかった複雑な鮮度劣化の評価も可能になると予想される。

研究では、「熟度」および「鮮度」を客観的に数値化することによって最適な貯蔵条件の確立だけでなく、顧客のニーズに応じた商品も提供できるようになる。さらに、果物収穫後鮮度劣化メカニズムの解明や、鮮度の個別追跡管理によってフードロス削減効果も期待できる。今後、現場での実用性を確保するため、携帯型への改良を目指し、非破壊で高精度な品質予測アルゴリズムを提案していく予定である。

研究成果は、2023年10月2日付Scientific Reports雑誌『Validation study on light scattering changes in kiwifruit during postharvest storage using time ‑ resolved transmittance spectroscopy』に掲載された。
(詳細は、https://www.nagoya-u.ac.jp)