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レンズレスカメラ、多様な距離にある被写体を一度にはっきり撮影

October, 20, 2023, 大阪--大阪大学 産業科学研究所 複合知能メディア研究分野の大学院生José Reinaldo Cunha Santos A V Silva Neto(博士後期課程)、中村友哉准教授、槇原靖教授、八木康史教授の研究グループは、異なる距離にある被写体を一度の処理で鮮明に映し出すことができる新型レンズレスカメラを開発した。

レンズレスカメラは、レンズを使わないことから、薄型で軽量なカメラが実現可能だが、一度の再構成処理で深い空間範囲を鮮明に映し出すことは困難だった。新開発のカメラは、放射状符号化マスクの導入とその構造の最適化により、多様な距離の被写体を一度の処理で明瞭に捉えることができ、画質も向上した。

この特性は、奥行きの深い被写体や近距離の物体を撮影する必要がある場合において、薄型でありながら鮮明な画像を得るための大きな利点となる。これにより、医療用カメラや工業検査用カメラなど、様々な分野での応用が期待される。

研究成果は、米国科学誌「IEEE Transactions on Computational Imaging」に、9月29日(金)に公開された。

(詳細は、https://resou.osaka-u.ac.jp)