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新しいカメラ、通常の数分の1のコストで超高速イメージング

October, 5, 2023, Washington--落下する水滴や分子相互作用などの速い動きのぼやけのない画像をキャプチャするには、毎秒数100万枚の画像を取得する高価な超高速カメラが必要になる。
新しい論文で、INRS研究チームは、薬物送達のリアルタイムモニタリングや自動運転用の高速LIDARシステムなど、幅広いアプリケーションで超高速イメージングを実現するための著しく安価な方法を提供できるカメラを報告している。

「われわれのカメラは、全く新しい方法を使用して高速イメージングを実現している。市販の高速カメラと同様のイメージング速度と空間解像度を備えているが、10万ドル近くから始まる今日の超高速カメラの1/10未満のコストで、既製のコンポーネントを使用してい」とカナダの国立科学研究所(INRS)のJinyang Liangはコメントしている。

Optica誌で、Liangはカナダのコンコルディア大学とMeta Platforms Inc.の共同研究者とともに、新しい回折ゲートリアルタイム超高速マッピング(DRUM)カメラが4回の露出で480万フレーム/秒で動的イベントをキャプチャできることを示した。チームは、生物学的サンプル中の液体およびレーザアブレーションと相互作用するフェムト秒レーザパルスの高速ダイナミクスをイメージングすることによって、この能力を実証した。

「長期的には、DRUM写真は生物医学の進歩と、より高速なイメージングによって危険をより正確に感知できるLIDARなどの自動化対応技術の進歩に貢献すると考えている。とは言え、DRUM写真のパラダイムは非常に一般的である。理論的には、高感度などの他の利点を損なうことなく、あらゆるCCDおよびCMOSカメラで使用できる」(Liang)。

より優れた超高速カメラ実現
超高速イメージングの大幅な進歩にもかかわらず、今日の方法は依然として高価で実装が複雑である。それらのパフォーマンスは、各ムービーでキャプチャされたフレーム数と光スループット、すなわち時間解像度との間のトレードオフによっても制限される。これらの問題を克服するために、研究チームは時変光回折として知られる新しいタイムゲーティング法を開発した。

カメラはゲートを使用して、光がセンサに当たるタイミングを制御する。たとえば、従来のカメラのシャッタは、一度開閉するタイプのゲート。タイムゲーティングでは、センサが画像を読み出す前に、ゲートが一定の回数連続して開閉される。これが、シーンの短い高速ムービーをキャプチャする。

光の時空二重性を考慮することにより、Liangは光回折を使用してタイムゲーティングを達成する方法を考案した。同氏は、回折格子上の周期的なファセットの傾斜角を急速に変化させ、異なる方向に進む入射光のいくつかのレプリカを生成することができ、異なる空間位置を掃引して異なる時点でフレームをゲートアウトする方法を提示できることに気付いた。すると、これらのフレームを組み合わせて超高速ムービーを形成できる。このアイデアを実用的なカメラに変えるには、物理光学、超高速イメージング、MEMS設計などの分野の専門知識を結集した学際的なチームが必要だった。

「幸いなことに、プロジェクターの一般的な光学部品であるデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を使用して、型破りな方法でこのタイプの掃引回折ゲートを実現することができる。DMDは大量生産されており、回折ゲートを製造するために機械的な動きを必要としないため、システムのコスト効率が高く安定している」(Liang)。

高速ダイナミクスのキャプチャ
チームは、シーケンス深度7フレームのDRUMカメラを作製し、各ショートムービーで7フレームをキャプチャした。システムの空間的および時間的分解能を特性化した後、チームはそれを使用して蒸留水とのレーザ相互作用を記録した。

得られたタイムラプス(低速度撮影)画像は、プラズマチャネルの進化とパルスレーザに応答した気泡の発達を示し、測定された気泡半径はキャビテーション理論によって予測されたものと一致した。チームまた、炭酸飲料の気泡ダイナミクスを画像化し、超短レーザパルスと単層タマネギ細胞サンプルとの間の一時的な相互作用を捕捉した。「DRUM写真は、ナノ手術やレーザベース洗浄アプリケーションにも適用できる可能性がある」と、論文の筆頭著者、元INRSで現在はAnsysに在籍しているXianglei Liuはコメントしている。

研究チームは、イメージング速度とシーケンス深度の向上など、DRUM写真のパフォーマンスの向上に引き続き取り組んでいる。また、色情報を取得し、LIDARなどの追加のアプリケーションへのシステムの適用についても検討することを考えている。