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UVマシンビジョンにニューロモルフィックチップ

June, 29, 2023, Melbourne--力を合わせると、ヒトの目と脳は、現在のどんな機械よりも効率的に情報を処理する。したがって研究者は、画像を捉えて処理する人工システムの設計でヒトの視覚系をパラダイムと見ている。

研究グループは、先頃、ニューロモルフィックビジョンチップを設計した。報告によると、これはUV域で“see” 検出画像を迅速処理できる(Adv. Funct. Mater., doi: 10.1002/adfm.202303641)。その新しいデバイスは、ナノスケールの厚さの半導体ウエファを使用している。これは持続的な光伝導性を示す、つまり刺激光がなくなった後の一定期間、電気信号を伝えることができる。その効果は、脳内のシナプス後電流を真似ている。研究チームによると、その成果は、自動運転車や製造フロアの検査で素早い決定を可能にするマシンビジョンシステムにつながる。

要点、超薄層
多くのマシンビジョンは、適切に機能するために学習プロセスに必要とされる電流閾値に達するには、比較的強く光電流を変える必要がある。この要件は、画像検出およびデバイス動作に必要なエネルギー量の上昇スピードを遅くする。

そのセンサープロセッサは、RMITのSumeet WaliaとAishani Mazumderが設計したもので、厚さ3nm以下のアンチモンドープ酸化インジウムシートでこれらの問題に対処する。これらのシートは、駆動電圧50mVであり、材料の反応を調べるために285ーnm波長LED光を露光した。

In2O3シートにアンチモンをドープすることでチームは、可視刺激が取り除かれるた後、非常に遅い減衰速度となる光電流を設計した。この遅い減衰レートにより、高頻度のトレーニング、リハーサルなしで、長期の情報蓄積、長期の情報保持が可能になる」(Walia)。

Waliaによると、持続的な光伝導性が、デバイスのエネルギー消費を大幅に減らし、デバイスは、センサ自体で情報処理できるようになる、つまり神経シナプスの挙動を模擬するのである。それは、以前報告したシステムと比較して必要なトレーニング、学習プロセスを少なくした。デバイスは、画像処理を完了するために畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を組み込んでいる。

マシンビジョンの未来
研究チームによると、概念実証デモンストレーションとCNNが、コンパクト、高速、スケーラブル、エネルギー効率のよい、様々なアプリケーションを有する次世代UVマシンビジョンへの扉を開く。Waliaによると、全ての必要機能、センシング、創造、情報処理、記憶保持を単一のデバイスに組み込むと、それはリアルタイム決定力をもつようになる。大量の無関係なデータを処理する必要がなく、別のプロセッサへデータを転送することで減速することもないからである」。

動作波長範囲が、超薄層の半導体選択を促進する。したがって、可視および赤外光のディテクタは、様々な材料を含むことになる。チームは、そのプラットフォームを他の波長に適用し、その技術をもっと大きく、深いピクセルアレイにすることに取り組んでいる。