June, 26, 2021, Leuven--Imecは、シリコンチップ上のオプトメカニカル超音波センサを発表した。これは、革新的なオプトメカニカル導波路により比類のない感度をもつ。この高感度導波路によって20µmの微小センサは、同等サイズの圧電素子と比べて、検出限界は2桁優れている。そのセンサの低検出限界により、超音波や光音響イメージングなどのアプリケーションで新しい臨床的およびバイオメディカルアプリケーションが可能になる。例えば、深部組織マンモグラフィ、血管新生の研究、潜在的な使用組織の神経分布など。このセンサは、Nature Photonicsに発表された。
断層超音波および光音響イメージングは、超音波センサアレイを利用して2Dおよび3D画像を構築する。最先端の圧電超音波センサには、限界がある。まず、検出限界が、センササイズに逆に依存する。これは小さな音響波による高分解能イメージングには問題である。高分解能画像は、小さな圧電センサを必要とする。これは、本質的に検出限界が高く、雑音画像を生成する。2番目に、圧電センサは、信号振幅増強で機械的共振に依存する。即ち、それらは、高い検出限界を回避するために、共振周波数周囲の小さな範囲で動作する。最後に、圧電センサのマトリクスは、各センサ素子に1本のワイヤを必要としており、例えばカテーテルアプリケーションには邪魔になる。
「われわれが実証したセンサは、別な方法による皮膚あるいは脳など非透明組織の深部イメージングを大変革する。皮膚黒色腫イメージングあるいはマンモグラフィなどのアプリケーションでは、それにより、腫瘍や周囲の新生血管をより詳細に見ることができ、さらに詳細な診断に役立つ」とImecのフェロー、Xavier Rottenbergはコメントしている。
Imecのソリューションは、新しいCMOS適合加工で製造された高感度スプリットリブオプトメカニカル導波路をベースにしている。感度は、最先端のデバイスと比べて2桁優れている。低検出限界は、超音波アプリケーションイメージング分解能と深さのトレードオフを改善できる、この点は光音響イメージングに重要である。従来の超音波イメージング技術よりも圧力が3桁高いからである。さらに、骨の強い超音波減衰に悩まされる、頭蓋を介した脳機能イメージングのような低圧アプリケーションも可能にする。
これらの微小(20µm)センサのファインピッチ(30µm)マトリクスは、光多重器と簡単にオンチップ集積できる。これは、微小カテーテルなど新しいアプリケーションの可能性を開く。そのセンサマトリクスは、接続にわずか数本のワイヤしか必要としないからである。圧電センサでは、素子毎に1本の電気接続となる。、
「センサ技術は、Imecで開発される光音響ロードマップのバックボーンを形成し、さらに選択的パートナーサイトでテストされる」(Xavier Rottenberg)。
(詳細は、https://www.imec-int.com/)