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新しいモデリングによりOLEDの色デザインが容易に

April 17, 2013, Einthoven--白色OLEDは、極薄層をスタックしており、各層が独自の色で発光し、全体として白色になる。今までは、白色OLEDの発光色を正確に予測することはできなかったので、メーカーは試行錯誤に頼っていた。
アイントホーベン工科大学(Einthoven University of Technology)、フィリップス研究所(Philips Research)、ドレスデン工科大学(Dresden University of Technology)および他の研究機関が、独自のOLED設計によって発光色を正確に計算できる方法を開発した。研究グループは、分子スケールレベルで、OLEDの複雑なプロセスモデリングを行うことでその方法を開発した。この技術により、メーカーはOLED設計プロセスを大幅に改善し、コストを削減できるようになる。同時にOLEDのエネルギー効率やライフタイムも改善可能となる。この成果は、Nature Materials誌に発表された。
OLED設計でどんな種類の光が出るかを予測するために、研究グループはOLEDの電子過程のコンピュータモデルを最深レベルで行った。これは、たとえば、電荷注入、エキシトンの生成と分布、個々のフォトンからのこれらの生成などを指している。アイントホーベン工科大学のPeter Bobbert氏によると、電荷の個々の変化が他の電荷に影響を与えるのでシミュレーションは極めて複雑であると言う。研究グループは、モンテカルロ(Monte Carlo)シミュレーションをナノ秒ステップで用いて成功した。この結果は、ドレスデン工科大学が作製した実際のOLEDをフィリップス研究所で行った計測と非常によく一致した。
成果の1つとして、光が超薄型層のどこで生まれてどこで消失するかを予測できるようになったことがある。これにより、OLEDを最適化することができ、遙かに少ない電力で同レベルの発光を得ることができる。研究グループは、この効率はまだ3倍向上すると見ている。また、メーカーはこの新しい知見を利用して特定色のOLEDを設計できる。予め必要な各層の厚さと、それぞれの層に加える色素の量を正確に計算することができる。デザイン行程が遙かに短縮され、コストも圧縮されるので、開発コスト全体が抑制され、最終製品の価格が下がることになる。Bobbert氏は、「これはマイクロエレクトロニクスの分野では、かなり以前から集積回路(IC)の振る舞いを正確に予測することができるようになっていた。今、同じことがOLEDでもできる」とコメントしている。

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