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住友電工と仏ソイテック社、低コスト大口径GaN基板の製造に成功
January 26, 2012, 東京/パリ--住友電気工業株式会社(住友電工)とS.O.I. TEC Silicon On Insulator Technologies S.A.(Soitec )は、4インチ径及び6インチ径の薄膜GaN(窒化ガリウム)基板の製造に成功し、量産に向けたパイロット製造ラインの整備を開始した。
住友電工とSoitecは、2010年12月に、薄膜GaN基板の開発に関して協業を開始し、住友電工の高品質自立GaN基板製造技術と、Smart Cut技術で業界をリードするSoitecの半導体極薄膜の剥離・転写技術を組み合わせ、大口径自立GaN基板から複数枚の薄膜GaN基板を製造する技術について、共同で開発を進めてきた。
技術開発の成功により、両社は、それぞれ兵庫県伊丹市と仏Bernin市に、4インチ径及び6インチ径の薄膜GaN基板パイロット製造ラインの整備に着手。製造ラインの整備により、顧客の基板需要に対して迅速な対応が可能となる。
この協業では、住友電工が日本で製造した自立GaN基板に、SoitecがフランスでSmart Cut技術を適用して、薄膜GaN基板を製造する。薄膜GaN基板は、高性能の半導体デバイスが求める低欠陥密度の特性を維持したGaN薄膜が、GaNと熱膨張係数の一致した低コスト支持基板に貼り付けられている。そのため、1枚の自立GaN基板に比べ、安価かつ同等の特性を有する薄膜GaN基板を得ることができる。
照明用の高輝度LEDや、電気自動車用や電力制御用のパワーデバイスなどの幅広い市場へむけて、GaN基板の本格的な普及が始まると期待されている。
住友電工の半導体事業部長の三浦祥紀氏は、「今回、大口径GaN基板において薄膜剥離・転写技術の有効性を証明したことで、この薄膜GaN基板の低コスト量産の可能性が開けたと考えている。今後、拡大を続けている高輝度白色LEDやパワーデバイスの市場の要求に応えるために、Soitec社との協業をより実のあるものとすべく引き続き努力できることを喜ばしく思っている」と語っている。