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AIXTRON:多剤耐性細菌に対するUVC LEDのグラフェン使用

April, 25, 2025, Herzogenrath--AIXTRON SEは、将来、多剤耐性の病院病原体などに対して使用される新規UVC LEDの使用に関する研究プロジェクト「GraFunkL」のパートナーである。GraFunkLは、「グラフェンをUVC LEDの機能層として」の略。
このプロジェクトにおけるAIXTRONの協力パートナーは、Gerd Bacher教授(デュイスブルク・エッセン大学、UDE)の電気工学材料学科、THz測定技術を専門とするAachenのProtemics GmbH、および光とセンサ技術のパイオニアであるRegensburgのams-OSRAM International GmbH。このプロジェクトは、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)が今後3年間で210万ユーロを拠出する予定である。

多剤耐性細菌に対する紫外線(UV)の使用は、100年以上前から存在している。特定の波長(265〜286nm)の紫外線がウイルスやバクテリアに当たると、病原体のDNAを含む化学結合が破壊される。

従来の方法は、水銀灯ベースである。半導体ベースのUV放射源は、耐久性が高いだけでなく、有毒な水銀も含んでいない。さらに、サイズと重量が小さいという特徴があるため、モバイルでの使用にも非常に適している。

「このプロジェクトの革新的な特徴は、UVC-LEDウエファ上にグラフェンを直接蒸着することである。これらの新しいフォトニクスコンポーネントは、微生物で汚染された室内空気、廃水、表面の除染など、様々なアプリケーションに適している」と、AIXTRONのアドバンストテクノロジー担当副社長であるDr.Michael Heukenは説明している。

グラフェンの使用により、エネルギー効率と光収率の両方が向上する。UVC LEDには、高い電気伝導率と高い光透過性を持つ原子層のように薄いカーボン層が組み込まれているため、発光ダイオードの効率が向上する。

GraFunkLプロジェクトの中心的な目標は、直径150mmまでのウエファなど、広い領域にグラフェンを塗布できるプラットフォームを開発することでもある。これにより、UVC LEDの工業生産ラインに統合できるはずである。大量生産は、新しいUVC LEDの効率向上と相俟って、この技術が医療環境などでより広く使用され、普及するための基盤を形成する。さらに、このプロジェクトでは、とりわけ、非金属基板上のグラフェン成長に関する知識も開発する。