June, 3, 2024, 和光--理化学研究所などの共同研究グループは、人への安全性とウイルス不活化の効果がいずれも高い波長228ナノメートル(nm、1nmは10億分の1メートル)のfar-UVC(遠紫外)LEDの高効率動作に成功した。
研究成果は、人の往来する環境でも利用できるウイルス感染症予防対策用の光源としての活用が期待できる。
共同研究グループは、人の皮膚や目に対する安全性が高く、また、コロナウイルスなどのウイルス不活化効果が極めて高い、far-UVC LEDの高効率動作をサファイア基板上で作製することに成功した。また、サファイア基板上としては世界最高効率となる外部量子効率[3]0.32%を実現した。さらにLEDを多数集積したLEDモジュールにおいて、放熱による動作温度の低減を行い、パルス動作における概算値約70mWの出力を可能とする230nm far-UVC LEDモジュールを実現した。
研究成果は、科学雑誌『Physica Status Solidi A』オンライン版(5月23日付:日本時間5月23日)に掲載された。
(詳細は、https://www.riken.jp)
研究グループ
理化学研究所(理研)開拓研究本部 平山量子光素子研究室の平山秀樹主任研究員、ムハマッド・アジマル・カーン研究員、藤本康平研修生(埼玉大学 大学院理工学研究科 博士前期課程)、鹿嶋行雄テクニカルスタッフⅡ(研究当時)、日本タングステン株式会社開発技術センターの祝迫恭センター長、牟田実広研究員、埼玉大学 大学院理工学研究科の矢口裕之 教授