March, 8, 2024, 大阪--近畿大学理工学部応用化学科教授 今井喜胤、大阪公立大学大学院工学研究科教授 八木繁幸らの研究グループは、白金錯体を発光材料とする、磁場誘起型有機円偏光発光ダイオードを開発した。
有機発光ダイオード(OLED)に外部から磁力を加えることで、3D立体映像を映し出す際に使われる、ラセン状に回転しながら振動する光「円偏光」を発生させることに成功した。また、キラル(光学活性)な発光体を材料とする従来の有機円偏光発光ダイオードとは異なり、左右両回転の円偏光発光が発光層から同時にかつ逆方向に発生していることを明らかにした。このメカニズムに基づいたデバイス設計によって、これまでの有機円偏光発光ダイオードの課題であった光の回転度の低下を抑えることが可能となる。
この研究成果を用いれば有機円偏光発光ダイオードの高性能化が可能であり、将来的に、新しいタイプの有機円偏光発光ダイオードの開発に繋がることが期待される。
研究成果の論文、 “Journal of Materials Chemistry C”にオンライン掲載された。
(詳細は、https://www.omu.ac.jp)