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OLED電子のための分子ハイウエイ

August, 28, 2023, Mainz--有機発光ダイオード(OLEDs)は、現在、広範に用いられている。ディスプレイ用途では、青色OLEDsが、赤や緑の原色補完に追加で必要になる。特に青色OLEDsでは、不純物が強力な電気的損失を引き起こすが、これは、非常に複雑で高価なデバイスレイアウトを利用することで部分的に回避できる。
マックスプランクポリマ研究所(Max Planck Institute for Polymer Research)のチームは、非常に簡素化された構造で効率的なブルーOLEDsを潜在的に可能にする新しい材料コンセプトを開発した。

TVsからスマートフォンまでOLEDsは、今では、われわれが日常的に使う多くのデバイスに採用されている。画像を表示するためには3原色、赤、緑、青が必要である。特に、青色光ののLEDは、まだ製造が難しい、青色光は、物理的に言うと、高エネルギーであり、材料開発を難しくしているからである。

特に、材料内の除去できない微量の不純物の存在が、これら材料のパフォーマンスで決定的な役割を担っている。これらの不純物、例えば酸素分子は、ダイオード内で発光プロセスに寄与する電子の動きを妨げる。電子が、そのような障害に捉えられると、そのエネルギーは光に変換されず、熱になる。この問題は、”charge trapping”(電荷トラップ)として知られており、主にブルーOLEDsで起こり、その効率を著しく低下させる。

マクスプランクポリマ研究所ディレクタ、Paul Blomのチームは、電荷トラッピング゛の問題に取り組んできた。この目的のためにチームは、新しいクラスの分子を使用した。これらは、2つの化学部分で構成され、一つが電子伝導に関与し、他の部分は不純物に感度がない。その分子の化学構造を操作することで、特殊な空間配列が達成される。複数の分子がいっしょになって、一種の”スパイラル”を形成し、分子の電子伝導部分が、内側部分を形成する、これは、分子の他の部分によって保護されている。分子的には、同軸ケーブルに似ており、電子伝導内側コアと外側がコアを保護する部分となる。

こうして、クラッディングが、電子伝導コアにとって一種の「保護層」を形成し、それが酸素分子の侵入から、それを遮蔽する。したがって電子は、障害物にトラップされることなく、スパイラルの中心軸を高速で自由に動くことができる。

「われわれの材料について特別なことの一つは、不純物による損失がないことである、したがって効率的な電子輸送が、ブルーOLEDs設計を非常に簡素化し、高効率を維持する」とPaul Blomは、説明している。

この研究によりチームは、ブルーLEDの製造簡素化への重要な一歩を踏み出した、と考えている。研究成果は、Nature Materialsに発表された。