August, 25, 2023, Washington--Junyi Zhaoは、ボールペンを使って紙にカスタムLEDを描いて見せた。同じペンを使って、アルミフォイルに多色デザインを描き、スケッチを照らし出すことができる。
電気&システム工学准教授、Chuian Wangと協働している研究者は個人が、紙、布、ゴム、プラスチック、3D物体を含む日常的な材料の柔軟、伸縮可能オプトエレクトロニックデバイスを手書きすることができるインクペンを開発した。光を放出し検出するためのフレキシブルオプトエレクトロニクスは、スマートフォンやフィットネストラッカーなど日常的なモノにすでに見つかるが、機能を維持しながら曲げ、折り畳み、動かすことができる。
Nature Photonics掲載の論文で研究チームは、特別なトレーニングも大きな装置も使わずに、誰でもカスタムLED、あるいはフォトディテクタを造れるシンプルで多様なアプローチを報告している。新しいハンドヘルド製造技術は、Wangと論文の筆頭著者、博士候補、Junyi Zhaoの初期の研究に立脚している。研究チームは、簡単なインクジェットプリンタで伸縮可能LEDsを造る新しい方法を実証した。
「手書きカスタムデバイスは、プリンタの後に続く明確なステップだった。われわれは、すでにインクを持っていたので、安価でだれでも利用できる通常のボールペンで、それが機能するように開発済みの技術を改良するのは自然な移行であった」(Wang)。
チームの環境にやさしい、革新的な手書きアプローチにより、個人は、わずか数分で多色LEDsやフォトダイオードを作ることができる。同技術は、特殊設計のインクを満たしたボールペンの簡便さを利用している、導電性ポリマ、金属ナノワイヤ、ペロブスカイトという結晶材料が、広いスペクトルの発光色を生み出す。これら機能インクで、多色インクを使っているようにレイヤ毎に書くことで、使い捨てエレクトロニクスを含む様々な機能デバイス、スマートパッケージング、個人化されたウエアラブル、バイオメディカルパッケージングなどが安価に簡単に、迅速に造れる。
チームは、すでにプリント可能インクを開発していたが、それを日常的な材料に手書きできる標準的なボールペンに移行させるには、湿潤性の制御、書きやすさの改善など、わずかな手直しが必要であった。最も重要な点は、Zhaoによると、そのインクが、流れたり混ざったりすることなく、紙や布を含め、多孔質、線維基質基材に確実に適用できるようにすることであった。汚れたデザインの美的失望を避けるだけでなく、機能的、ハイパフォーマンスオプトエレクトロニックデバイスを保証するためにレイヤーは、分離されたままでなければならない。
「プリンタからボールペンへの移行は、簡単に見えるかも知れないが、実際は、単にインクを充填するよりも、いささか巧妙である。われわれのインクは、特別に配合されているので、ペンは汎用である、つまりほとんど全ての基材で使える。デバイスの各単一層はもともと男性があり、変形を乗り越え、曲げられるように設計されており、デバイスの性能に影響を与えることなく、延ばしたり、捻ったりできる。例えば、グラブに描いたLEDsは、反復的な拳の握って離すことからくる変形に耐性があり、ゴム風船に描いたLEDsは、膨張・収縮サイクルを繰り返し乗り切ることができる。
紙からパーティバルーンまで、あらゆる基材で使えるインクペンの作製は、従来のLED製造の重要な制約を克服する。従来法は、特に平坦で滑らかな基材、法外なコストのクリーンルーム製造装置が必要とされるからである。また、次世代ウエアラブルエレクトロニクスへの扉を開き、前例のない仕方で日常生活に浸透する。
Wangの見方では、手書きエレクトロニクスの将来のアプリケーションは、ユーザの想像力に制限されるだけである。即時の利用は、教育目的や科学の普及から電子パッケージングや衣類、医療センサや包帯まである。
「安価でカスタマイズ可能なLEDsは、現場教育、発光衣類のような鮮やかな衣類、グリーティングカードなど、スマートパッケージングに機会を開く。われわれが素晴らしいと思っている領域の1つは、医療応用である。手書きの光エミッタやディテクタによりより患者に特化した柔軟性が可能になる、ウエアラブルバイオメディカルセンサやバンデージである。これは、その上にフォトディテクタや赤外LEDsが書き込まれて、パルスオキシメトリの計測、キズの治癒促進に利用できる」。
この方法の利用しやすさ、柔軟性は、エレクトロニクス製造を一般化し、カスタマイズされた、伸縮自在の電子機器が、日常生活の一部に組み込まれる、と研究者は見ている。