Science/Research 詳細

積層型GaInN系モノリシック型RGBフルカラー μLEDアレイ

August, 21, 2023, 名古屋--名城大学理工学部材料機能工学科の岩谷素顕教授、竹内哲也教授、上山智教授のグループとサウジアラビア・King Abdullah University of Science and Technology (KAUST)の大川和宏教授グループの共同研究により、超高精細・超高輝度なVR/AR/MR用ディスプレイが作製可能な、世界初“トンネル接合による積層型GaInN系モノリシック型RGBフルカラー μLEDアレイ”の開発に成功した。
研究成果は、2023年8 月17日に英国物理学会誌の国際論文誌「Applied Physics Express」に掲載された。

研究内容
研究グループは、同一基板上にデバイスを作製するためにトンネル接合という量子力学で用いられる手法を用いた。名城大のグループでは長年GaN系のトンネル接合の研究開発を行っており技術開発を進めていた。また、KAUSTのグループでは長年高輝度な赤色LEDの開発を進めており、その効率は世界でトップクラス。この2つのグループが共同で同一基板上に、トンネル接合を介して青色・緑色・赤色LEDを積層したウェハーを作製し、それをμLEDに加工することにより、世界初の「トンネル接合による積層型GaInN系モノリシック型RGBフルカラー μLEDアレイ」の開発に成功した。

今後の展開
μLEDの輝度は数万nitsを超えることができることから、このデバイスを微細化することにより、超高精細・超高輝度なVR/AR/MR用ディスプレイが作製可能となると考えられる。これらのディスプレイが具現化することによって、現実世界と同様の臨場感や没入感の高いメタバース用ディスプレイの実現が期待される。