February, 4, 2022, 沖縄--沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究チームは、金属ハロゲン化物ペロブスカイトと呼ばれる材料を用いて青色LEDを開発した。この材料の作製において、初めて左右非対称の分子架橋を使用してペロブスカイト層を連結させ、構造の安定性を向上させた。
研究のポイント
・金属ハロゲン化物ペロブスカイトは、次世代発光ダイオード(LED)の材料として有望視されているが、現状ではその不安定さが課題となっている。
・課題の1つは、電圧をかけた際に、ペロブスカイト結晶構造を構成するイオンが移動することでペロブスカイト材料の劣化を引き起こす「ハロゲン化物偏析」である。
・研究では、青色LEDに使われるペロブスカイト材料の安定性を向上させるため、イオンの移動を遅らせる新たな方法で材料を作製し、検証を行った。
・新たな構造では、左右非対称な架橋分子を使用してペロブスカイト層同士を連結させる。
・研究チームは、架橋分子の左右非対称性により、ペロブスカイト層同士の間に小さな双極電場が発生し、イオンの移動を制限すると示唆している。
米国化学会誌(Journal of the American Chemical Society)に掲載された研究成果により、ペロブスカイトLEDの実用化が一歩近づく可能性がある。
(詳細は、https://www.oist.jp)