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ペロブスカイト発光ダイオードの発光効率が4倍

December, 2, 2019, 福岡--金属ハライドペロブスカイトは太陽電池の光吸収材料として注目を集めている。その光電変換効率は、シリコン太陽電池に匹敵する25.2%に到達している。また、金属ハライドペロブスカイトは発光ダイオード(LED)の発光材料としても有望。しかしペロブスカイトLEDの発光効率には問題が残されており、発光効率を向上させる技術の確立が望まれていた。
 九州大学最先端有機光エレクトロニクス研究センターの安達千波矢教授、九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所の松島 敏則准教授、Changchun Institute of Applied Chemistry (中国)のQin Chuanjiang(シン センコウ)教授は、京都大学化学研究所、Chinese Academy of Sciences(中国)、Sorbonne Université(フランス)、CNRS-Université de Strasbourg(フランス)と共同で、適切な有機材料を選択することによって、擬二次元ペロブスカイトLEDの発光効率を約4倍に向上させることに成功した。
 ペロブスカイト薄膜は簡単に作製でき、色純度が高い発光を示す。そのため、ペロブスカイトLEDは低コスト・高色純度な次世代型ディスプレイ用途として期待されてい.。新開発の手法を用いればペロブスカイトLEDの発光効率を大幅に向上させることができるため、ディスプレイ産業分野に大きなインパクトがある。また、この手法を用いればペロブスカイトからのレーザ発振特性の向上も期待でき、医療や通信分野にも貢献できる。
 研究成果は、Nature Photonics誌でオンライン公開された。
(詳細は、https://www.jst.go.jp)