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ペロブスカイトナノ粒子LEDはなぜ低効率か

October, 17, 2019, 東京--東京工業大学 物質理工学院 材料系のマーティン・バッハ教授らの研究グループは、単一粒子分光計測を用いて、ペロブスカイトナノ粒子を発光材料として用いた発光ダイオード(LED)における低い電光変換効率の原因を解明した。
 同研究グループは単一粒子分光計測の手法を用い、LED駆動時にはナノ凝集体中の一部のナノ粒子に向けて電荷やエネルギーが移動し、その一部の特定のナノ粒子からのみ発光が生じていることを明らかにした。さらに発光を示す一部のナノ粒子ではブリンキングが生じやすく、ブリンキングによる消光時間の増加が原因で、電気エネルギーが光に変換されにくくなっていることを確認した。
 ペロブスカイト系ナノ粒子の一部は鮮やか、かつ高効率な発光を示すため、薄膜ディスプレイやレーザ用の発光材料として期待されている。だが、高効率で発光する粒子のナノ凝集体を薄膜LEDの発光層として用いると、しばしばLED駆動時に発光効率が著しく低下することが知られていた。しかし、その根本的な原因はわかっていなかった。
 研究成果はNature Communications)オンライン版に掲載された。

(詳細は、https://www.titech.ac.jp)