July, 11, 2018, Eugene--フラウンホーファー有機エレクトロニクス、電子ビーム、プラズマ技術研究所FEPは、「OptiPerm」プロジェクトの一環として、ウルトラスムースポリマフィルム製造新技術開発に成功した。
この技術は,これまでにA4フォーマットでサンプルを実証しており、今回、一段と高い表面品質を持つロール・ツー・ロール(R2R)工程への移行に成功した。この成果は、ミュンヒェンで開催されたAIMCAL会議でDr. Steffen Güntherにより紹介された。
低欠陥密度の平滑面は、多くのアプリケーション領域で極めて重要である、例えば車体の装飾被覆、高光沢および汚れ難い家具、ハイテク産業の基板として使える超平滑金属やプラスチックフィルムなど。特に基板の場合、基板の表面品質レベルが非常に高いと、それに続く仕上げ段がその全潜在能力を示すことができる。
例えば、エレクトロニクスコンポーネントの封止フィルムは、酸素や湿気の浸透を防ぐために、真空被覆工程により薄い透過バリア層を必要としている。基板表面の欠陥は、この薄い被覆を危険にさらす。
アクティブ電子層、例えばOLED、タッチスクリーンのデポジションは、大面積の発光や導電性など信頼性の高い機能を確保するために超平滑面を必要とする。
フラウンホーファーFEPの研究チームは、超平滑面の新しい製法、平滑化膜アプローチを開発した。「この画期的なプロセスは、特殊な加工環境を全く必要としない。したがって標準的な製造条件下でも可能である。このプロセスには、高価なクリーンルームは必要ない」とフラウンホーファーFEPプロジェクトマネージャ、Dr. Steffen Güntherは説明している。
この新しいアプローチでは、まずウエットコーティングがフレキシブル基板に適用される。その直後、コーティングがまだ濡れている間に第2の膜、平滑化膜でコーティングされる。続いて、ウエットコーティングがエネルギードライプロセスにより、平滑膜を通して架橋される。架橋指数に関しては高性能であるので、フラウンホーファーFEPでは電子ビームを利用する。平滑膜は、架橋直後にリフトオフされる、あるいは次の下流工程まで保護コーティング上にとどまる。平滑膜のコストを下げるために、その再利用可能性を検査した。平滑膜を10回再利用した後でも欠陥密度の増加はなく表面品質の低下は観察されないことを研究チームは示すことができた。
このプロセスは,まずA4フォーマットで行われ、サンプルを評価した。続いて、R2Rコーティングライン“atmoFlex 1250”に移行された。このプラントは、機械工学会社3D-Micromac AGが構築し、フラウンホーファーFEPで、幅1.25mのフレキシブルフィルムをR2Rでコーティングすることができる。プロセスのR2R技術への移行結果は、期待を遙かに上回っていた。新しい平滑膜アプローチ再生産は成功だった。そればかりか、R2Rプロセス基板のテスト結果は、A4サンプルよりも4倍高性能だった。白色光干渉法を用いた欠陥密度判定は、約1%。これは、高価なクリーンルーム環境で平坦化した膜の欠陥密度に相当する。
(詳細は、https://www.fep.fraunhofer.de/en/press_media/11_2018.html)