April, 13, 2016, Santa Barbara--先端理論を用いてUCSB研究チームは、効率低下を招くLEDの原子構造における特殊 タイプの欠陥を特定した。
この点欠陥の特性評価は、もっと効率的な、長寿命のLED照明の製造に帰着する。
「技術は、そのような欠陥がLED材料に存在するかどうかを評価するために利用できる。また、材料の品質向上にも利用できる」と研究グループのChris Van de Walle教授は説明している。
LEDでは、電子が片側から注入され、他方からホールが注入される。これらが半導体結晶格子、ここではGaNベースの材料内を進み、電子とホールが結合し、発光する。電子がホールと結合すると、電子はエネルギーの低い状態に移行し、フォトンを放出する。
しかし、時々、荷電キャリアが結合しても光を放出しないことがあり、いわゆるショクレイ・リード・ホール(SRH)結合となる。研究グループによると、荷電キャリアが格子欠陥に捉えられている。その場合、結合しても発光しない。
特定された欠陥は、酸素と水素を持つガリウム空乏の複合体に関係する。「これらの欠陥は、これまで窒化半導体で観察されたが、その有害作用は理解されていなかった」と論文の筆頭著者、Cyrus Dreyer氏はコメントしている。
欠陥が電子とホールを捉える割合を計算するのに必要な理論形式を開発したのはAudrius Alkauskas。その方法は、他の欠陥やSRH再結合が起こるメカニズムの特定で、今後も役立つ、とVan de Walle氏は見ている。
「これらガリウム空乏複合体だけが、有害な欠陥ではないことは明らかである。われわれは方法論を構築したので、非発光再結合への影響を評価するために他の潜在的な欠陥も積極的に研究する」と同氏はコメントしている。
(詳細は、www.ucsb.edu)