January, 22, 2014, つくば--株式会社SHINDOは、福井県工業技術センター(福井県)、産業技術総合研究所(産総研)集積マイクロシステム研究センター伊藤寿浩 副研究センター長、高松誠一 研究員と共同で、電子テキスタイル製造技術を応用して、LEDの点灯により冬山や夜間でも視認性の高いLEDスポーツウエアを開発した。
今回、ひも状の織物であるリボン上にLEDを配線し、服に取り付けられるよう樹脂加工を行う電子テキスタイル製造技術を確立することで、薄くフレキシブルなLEDリボンを取り付けたスポーツウエアの開発に至った。このLEDリボンは衣服類に簡単に照明機能を付けられるため、スポーツ以外にも交通整理などさまざまな夜間作業の安全性向上につながるものと期待される。SHINDOは2014年春からLEDリボンのサンプル出荷を行う予定。
リボン上にLEDを配線する技術と、衣服に取り付けるための熱融着性と防水性をもつ材料による樹脂加工技術からなる電子テキスタイル製造技術を開発。この開発では、福井県がリボンに配線を織り込む技術を、産総研がリボン上の配線にLEDをハンダ付けする装置を、SHINDOがリボンを衣服に取り付けるための樹脂加工技術を担当。従来は、配線が形成されているプリント基板上にLEDを実装する装置はあったが、非常に柔らかいリボン上の配線にLEDをハンダ付けする装置はなかった。今回、両側でリボンを送り、位置決めしながら、LEDをハンダ付けする装置を開発し、LEDリボンを製造できるようにした。
開発したLEDが点灯するスポーツウエアは、電子テキスタイル製造技術によるLEDリボンを使用していることが特徴である。LEDリボンは薄層で軽量かつフレキシブルな照明材料なので、ウエア着用時も違和感がなく、また、LEDリボンの取り付けは熱融着によるため縫い目がなく、ウエアの高い防水性および防寒(保温)性を維持できる。
SHINDOは2014年春からLEDリボンのサンプル出荷を行う予定。また、現在は電源としてボタン電池を使用しているが、用途などに応じて充電式バッテリーもそろえる予定。産総研は、今回のLED以外に温度や湿度などのセンサをリボン上にハンダ付けする技術を開発し、さまざまな機能を持つリボンの実現を目指す。