May, 29, 2015, Seoul--IHSの調査によると、小・中ディスプレイメーカーは、スマートフォンやウエアラブル機器に使用されるリジッドOLEDパネルの製造から急速にフレキシブルAMOLEDパネルに移行しつつある。
特にサムスンディスプレイとLGディスプレイは、フレキシブルAMOLEDディスプレイの供給能力を拡大するために、技術差強化を追求している。フレキシブルAMOLEDパネル出荷は今年、リジッドAMOLED出荷の11%超となる見込みだ。
低温ポリシリコン(LTPS) LCDディスプレイの価格低下は、AMOLEDパネルの価格優位性を急速に弱めた。「スマートフォンメーカーは、AMOLEDパネルに不満を抱いていた、より高価なペンタイルピクセル構造のAMOLEDディスプレイが同等解像度のLTPS LCDディスプレイよりも鮮明さが低かったからである。AMOLEDディスプレイの広い色域がスマートフォンパネル市場ではまだ主要な差別化要因になっていない。価格下落がさらに進むと、現在のAMOLEDパネルは最終的には訴求力を失う」と主席アナリスト、Jerry Kang氏は説明している。
こうした市場条件に対処し、製品の差別化を図るために、AMOLEDパネルメーカーはフレキシブルディスプレイを提供するようになっている。例えば、2013年、LGエレクトロニクスはG Flex、サムスン電子はGalaxy Roundを発売した。2014年、さらにそれぞれ、G Flex 2、Galaxy Note Edgeを発売。サムスンの最新フレキシブルディスプレイスマートフォンモデル、Galaxy S6 Edgeは今年初めに発表された。
フレキシブルOLEDベースの製品は、従来のリジッド、フラットなモバイル機器やスマートウオッチパネルを使用するものとの差別化は十分でない。現在、曲がった、あるいは曲げられる鋭いAMOLEDディスプレイデザインにより、パネルのフォームファクタが本当に差別化されるようになっている。とは言え、それを積極的に使用して新しい機能、拡張ユーザエクスペリアンスを提供するところまでは行っていない。「フレキシブルOLEDパネルを使って価値を高めることができる、従来のリジッドパネルとの製品差別化の方法としてである。フレキシブルOLEDでパネルメーカーは、現行製品でできるよりも高度なフォームファクタを提供することに注力すべきである、またユーザエクスペリアンス向上にも注力すべきである」と同氏はコメントしている。