January, 8, 2015, 東京/阿南--三菱化学及びNIMSと日亜化学工業及びシチズン電子とは、白色LED用として広く用いられている窒化物系の赤色蛍光体について、日亜と三菱との間において「特許相互実施許諾契約」及び関連諸契約を締結した。
三菱化学 (三菱)及び物質・材料研究機構(NIMS)と日亜化学工業(日亜)及びシチズン電子(シチズン)とは、白色LED用として広く用いられている窒化物系の赤色蛍光体について、日亜と三菱との間において「特許相互実施許諾契約」及び関連諸契約を締結した。
従来の白色LEDは長年にわたり利用されてきたが、蛍光体として黄色蛍光体を使用していたこともあり、その白色光は自然光に対してやや赤み成分が不足した白色だった。CASNまたはSCASN蛍光体(別名1113蛍光体)と呼ばれる窒化物系の赤色蛍光体は、これを白色LEDに使用することにより、従来得られなかった赤み成分が得られるため、自然光に近い白色を実現することができるようになり、照明やLCD用バックライト等、様々な用途に使用されている。
三菱と日亜は、この赤色蛍光体に関し、それぞれが保有する特許を相互に実施許諾することについて2010年に基本合意し、その後詳細条件についてNIMSも交えて協議を継続してきたが、全内容について最終的な合意に至った。
契約において相互実施許諾の対象となる特許には、日亜保有の特許、及び三菱、NIMS保有の特許を含む。また、これらの特許のうち、三菱とNIMSが共有する基本特許の1つである米国特許(米国特許第8409470号)については、三菱、日亜、NIMS及びシチズンの4者による共有とすることに合意した。
この特許相互実施許諾契約の締結及び米国特許の共有化により、赤色蛍光体に係る特許について一層の権利の安定化が図られ、三菱及び日亜の事業基盤が強化されることが期待される。