垂直農業市場、2025年に73億ドル

August, 14, 2020, Northbrook--マーケッツ&マーケッツ(MarketsandMarkets)の調査レポート｢垂直農業市場､COVID-19の影響分析､成長メカニズム(水耕法、空中栽培、アクアポニックス)､構造(ビルベース､輸送コンテナ)､提供品､作物タイプ､地域､2025年までのグローバル予測｣によると､市場は､2020年の29億ドルから､予測期間にCAGR 20.2%成長で､2025年には73億ドルに達する見込である｡
　垂直農業市場の成長は、主に高収量、従来農業に対する垂直農業に関連する多くの他の利点、LED技術の進歩、天候条件に関わらず通年作物生産、最小リソースですむことなどによるものである。

垂直農業採用の環境に対するプラスの影響、APACや中東における潜在的市場機会、垂直農業による大麻栽培などの要素が、市場の成長機会を促進すると予測されている。

水耕法成長メカニズムセグメントが、予測期間に最高CAGR成長
　水耕法成長メカニズムは、商用生産者に広く利用されている。メカニズムは設定が容易で、コストは他のメカニズムよりも低い、また投資収益率(ROI)は高い。同サイズのファシリティで水耕法と空中栽培設定に必要な投資を比較すると、空中栽培では高い初期投資が必要。停電の場合、水耕栽培メカニズムでは、空中栽培と違い、生育培地が水や栄養素を供給し続けるので、植物は長期に生き残る。空中栽培では、ミスト噴霧ノズルの機能不全、故障により植物はわずか数時間で死ぬ。

構造では、ビルディングベース垂直農業セグメントが予測期間に大きなシェアを維持
　ビルディングベース垂直農業は、輸送コンテナベース垂直農業よりも平方フィートあたりの収益は優れている。ビルディングベース垂直農業の稼動費も投資も少ないからである。輸送コンテナベース垂直農業市場はCAGRが高いようである。それは、すぐに使え[プラグ&プレイモデル]であり、増え続ける新鮮で高品質の生産物需要への対処に役立てられるからである。

APACの垂直農業市場が2025年には最大シェア
　他の地域の企業が、垂直農業設立のためにAPAC諸国に投資している。例えば、2018年、垂直農業企業、Plenty (US)は、中国に300の垂直農場を構築する計画を発表した。同地域の垂直農場は、LED技術など先進的技術によっても支援されている。LED技術は、適切な強度の光を供給することで光合成により作物の生育を助ける。Everlight Electronics (台湾)は、垂直農業向けLEDsのメーカーである。垂直農業は、農場の生産性向上のために農業技術プロバイダとも提携している。Asahi Techno (日本)は、 Illumitex’s (US) のLEDソリューションを使い作物の生育プロセスを強化している。そのような投資と提携は、同地域の垂直農業市場の成長を促進すると見られている。