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化合物半導体市場、2025年までに434億ドル

July, 22, 2020, Northbrook--マーケッツ&マーケッツ(MarketsandMarkets)のレポート「COVID-19影響分析、化合物半導体市場、タイプ(GaN、GaAs、SiC、InP)、製品(LED、RFデバイス、パワーエレクトロニクス)、アプリケーション(通信、一般照明、自動車、電源)、地域、2025年までのグローバル予測」によると、市場規模は、2020年の320億ドルから、CAGR 6.3%成長で、2025年には434億ドルに達する見込みである。半導体産業で、GaNやSiCの需要と実装の増加が化合物半導体市場の成長で重要な役割を担うと見られている。

化合物半導体市場は、Nichia、Samsung Electronics、ams、Qorvo、および SkyworksなどのTier1およびⅡプレイヤを含む。これらのプレイヤは、APAC、ヨーロッパ、北米、RoWの様々な諸国に製造工場を展開している。COVID-19は、これらプレイヤのビジネスに等しく影響を与えた。プレイヤの複数の製造工場は、COVID-19のためにシャットダウンとなった。MarketsandMarketsの見方では、半導体産業は、COVID-19のために2020年は世界的に大きく落ち込む。これは雪だるま式に、化合物半導体市場に影響を与える。さらに化合物半導体関連の研究支出減になり得る。

LEDとRFデバイスは、利用増により、化合物半導体市場シェアで大半を占めるセグメント
 GaNは、金額で最大市場シェアと推定される。GaNは、LED、半導体パワーデバイス、RFデバイスでの利用がますます増えている。GaN LEDsは、一般照明、コンシューマデバイス、商用、および自動車で利用されている。GaNは、広いバンドギャップ特性のために、LEDアプリケーションで主に利用されている。LEDは、GaN市場の最大シェアに貢献している。GaNは、白色LEDsを作るために利用されている。様々なアプリケーション、一般照明、サイネージ、自動車などでGaN LEDsの需要増が、GaN市場の成長を促進する予測されている。

 GaNは、RFデバイスでも重要である。GaNデバイスが、広帯域で高RF出力を高周波統合できるからである。業界が、>6GHz に向けて5Gネットワーク普及へシフトするので、シリコン周波数帯はネットワークの多様な要求に応えられない。シリコンデバイスは、3GHzよりもかなり低いバンドで動作するからである。5Gで利用されるもっと高い周波数、3.5GHzなどでは、GaNは、LDMOS/Siデバイスよりも効率的である。こうしてGaNは5Gアプリケーションで勢いが増す、特に基地局のパワーアンプ向けである。

通信アプリケーションセグメントが最大市場と推定
 通信アプリケーションは、化合物半導体市場で最大セグメントになると推定される。5Gは、通信アプリケーション向け化合物半導体に巨大なチャンスをもたらす。通信アプリケーションの成長は主に、増加するRFデバイスが牽引する。通信分野の急速な進歩は、世界中の先進国、新興国で見られる。3Gから4G/LTEへ、さらに5Gへの技術シフトは、モバイル機器によるネットワークトラフィックを増やし、通信チャネルでネットワーク干渉の増加となった。業界が5G採用へシフトすると、スマートフォンで利用されるRFコンテンツが増えると予測されており、これが予測期間中に市場の成長を後押しする。4Gおよび5G向けのすべての要求に応えるために、化合物半導体技術で作られたパワーアンプが必要である。これは、予測期間に市場を牽引する見込みである。

APACが最大の化合物半導体市場となる見込み
 APACは、予測期間に化合物半導体の最大市場になると推定される。パワーデバイスでGaNとSiCの急速な市場浸透がAPACでは複数のアプリケーションで支配的である。パワーデバイスでは、GaNおよびSiCデバイスが次第にSiに置き換わっている。パワーデバイスでは、増え続けるGaNおよびSiCパワーアプリケーション数が、この地域では潜在的に巨額の収益を生み出す。これは、複数のパワーアプリケーション向けにGaNやSiCパワーデバイスを大量商用化する業界プレイヤを引き付け、これがこの地域の化合物半導体の潜在的な収益を生み出す。