April, 4, 2018--IHS Markitは、LED産業についての情報と分析を発表している。要点は以下の通り。
・サプライヤーの計画購入を評価した後、IHS Markitは2018年に330のMOCVDリアクタチャンバが導入され、GaNからLEDが製造される。
・これらの追加MOCVDリアクタチャンバは、2017年にはGaN LED 7.4%の過剰を生み出した。過剰は、2018年には15.8%、2019年には28.3%になると予測している(2019年の平均設備稼働率78%で計算)。
・Focus Lightingと深圳MTCは、最近数ヶ月にMOCVD拡張計画を発表した。一方、Sanan, Osram Opto, HC Semitekおよびその他も2018年には拡張する見込み。
・MOCVD出荷ピークでは、2010年に754リアクタチャンバが出荷された。しかし、今日のより最新のリアクタの製造能力は向上しているので、2018年に追加される実際のウエハとダイエリア製造能力は、ピーク時と同等になる見込みである。
IHS Markitの分析
過去2年、GaN LEDウエハとダイの過剰は非常に小さかった。平均設備稼働率は高かったが、不確かな需要と価格下落環境でサプライヤーは、さらなる投資に意欲を示さなかった。
中国企業は再び補助金を利用して伸び続ける需要に対処している。照明、自動車ヘッドライトおよびサイネージの中出力LEDは2017年に好調な分野であり、2018年も成長が続く見込みである。発表された注文の一部がキャンセルされたり、次の年に繰り延べされることを考慮に入れても、予想される過剰生産は、照明を含む一部の市場には影響が大きくなる。また、新規参入者が品質認定されていなかったり、参入障壁が遙かに高い自動車や他の市場では影響は少ない。
中国が他の国々から市場シェアを奪う
中国のLEDウエハとダイ製造能力は、2010-2018年の間に飛躍的に増加した。中国は、LED市場で小規模プレイヤから変身し、最大製造能力を持つ国となった。実際、中国の製造能力は世界の残りを合わせたよりも大きい。
近年、非中国企業のほとんどは製造能力を増強していない。実際、それらの企業はMOCVDに全く投資していないところが多い。このことは、時間経過とともに、旧い装置がオフラインになり、製造能力はもっと落ち込むことを意味する。これらの企業は、代わりに中国からダイを購入し、それをパッケージドLEDまたは光エンジンとして販売する。場合によっては、パッケージドLEDの全製造を中国にアウトソースする。製造能力拡大の現在の傾向は、中国における一層の拡大とともに、このようなトレンドが継続することを意味している。
LG Innotekの収益は2017年第4四半期に落ち込んだ。同社は、代わりに、より高度な製品および紫外LEDに集中すると発表した。これは、中国の能力拡大に対する直接的な対応である。他の企業も同様の戦略をとっているが、照明に加えて、自動車やサイネージとともに、よりハイエンド市場に注力することで収益低下を回避できている。
(詳細は、https://technology.ihs.com/)