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AMOLED製造装置導入、2017年に過去最高の予測

February, 10, 2017, London--フラットパネルディスプレイ(FPD)産業は、アクティブマトリクス有機LED(AMOLED)ディスプレイ製造のための新工場建設の歴史的波の真っただ中にある。IHS Markitによると、これは、2017年には95億ドル規模のAMOLED特化製造装置導入を促進する。
 IHS Markit「ディスプレイ需要/供給&装置トラッカー」によれば、TFTバックプレーン製造要装置は、2017年の市場全体の47%を占め、販売額で44億ドルとなる見込みである。有機発光層の堆積とカプセル化装置は、それぞれ今年、22億ドルと12億ドルの記録的販売額に達する見込みである。
「OLED材料の堆積には様々なアプローチが利用可能だが、高解像度モバイルディスプレイ製造用ファインメタルマスク(FMM)蒸着装置が、現在の新工場建設の波では堆積装置販売額の大半を占める」とIHS Markitシニアディレクタ、Charles Annis氏は説明している。
 蒸着装置は技術的に極めて複雑であり、ロボットにリンクした多数のクラスタ真空装置で構成されている。各ツールは、蒸着源とマスクドッキング機能を構成しており、かなりのポンピングシステムを必要とする。装置は一般に非常に大きく、量産工場では長さ100mを超える。これには、膨大な設備投資が必要になる。
 「ハイパフォーマンスAMOLED蒸着装置市場はキヤノントッキ(Canon Tokki)が優位を占めており、2016年に市場の半分以上を占めた」とAnnis氏は言う。「他の蒸着装置メーカーの少なくとも5社が爆発的な市場機会をものにしようと押し寄せている。しかし、パネルメーカーの強い関心は他の追随を許さなキヤノントッキの量産経験にあるので、同社は2017年にさらに市場シェアを伸ばすとIHS Markitは見ている」。 
 AMOLEDsは、影響を受けやすい有機発光材料を環境劣化から守るためにハイパフォーマンスカプセル化を必要としている。カプセル化バリアは一般に、金属、ガラスあるいは薄膜スタックから作製される。しかし、現在建設中の新しいAMOLED工場の相当のシェアは、プラスチック、フレキシブルディスプレイを狙っており、これはコストがかかる多層薄膜エンカブスレーション(TFE)に依存することになる。
「フレキシブルAMOLEDメーカーは、過去数年でTFE構造の簡素化でとてつもない成果を挙げてきた。そうだとしても、全くの閉環境における高品質無機フィルム堆積有機層プリンティングの生産性は困難な課題のママである」とAnnis氏は指摘する。「多数の蒸着チャンバや補助ツールの要件はTFEラインをAMOLイ装置市場の最大セグメントの1つにしている」。
 2016-2018年のAMOLED製造装置に対する推定230億ドルの投資で、装置メーカー、特に蒸着およびカプセル化ソリューションを提供するメーカーは歴史的な販売機会を謳歌することになる。