June, 9, 2015, Berlin--FBHは、プロジェクトCryoLaserの最新成果を発表した。シングル1㎝のレーザバーが、203ケルビンに冷却すると、少なくとも2kWの光出力が得られる。
将来の高エネルギーアプリケーション、これはFerdinand-Braun-Institut, Leibniz-Institut für Höchstfrequenztechnik(FBH)で、現在のダイオードレーザ研究の目標になっている。世界的な科学・技術者のチームが新しい世代の超高エネルギーレーザの研究に取り組んでいる。これらは、基礎科学、新しい医療アプリケーション、レーザ核融合などのツールとなる。超ハイパワーレーザシステムは、単に超高性能であるだけでなく、ローコストで量産できるダイオードレーザでなければならない。特に、波長域930~970nmのダイオードレーザバーは、大規模レーザファシリティではYbドープ結晶用ポンプレーザの基本的構成要素となる。このようなファシリティでは、ペタワットクラスのピークエネルギー、ピコ秒パルス幅で光パルスが生成される。この励起光源の個々のレーザバーは、典型的な出力が300~500Wの範囲にある。
FBHは現在、ライプチッヒプロジェクトCryoLaserの一環として必要なデザインと技術の両方の最適化を進めている。フォトンあたりのコストが下落するなら、より高い光パワー密度が生成されなければならない、そうすることで必要な材料の量が減ることになる。システム効率強化には、変換効率も飛躍的に改善されなければならない。CryoLaserは、新たなレーザコンセプトを採用し、零下はるか下(-70℃、203K)で動作するように最適化された画期的な構造を開発している。この温度では、ダイオードレーザのパフォーマンスは著しく向上する。
エピタキシャルデザインとパッケージング技術の進歩に立脚してFBHのバーは940nm、-70℃、2kA電流、バーあたりのピークパワー2kWの世界最高の成果を達成した。パルス幅は、200µs、繰り返しレート10Hz、パルスエネルギーは0.4Jに相当する。ピークパワーは、供給可能な電流によって制限された。今日まで、そのようなパワーは、少なくとも4個のシングルバーからの光ビームを結合することでしか達成できなかった。変換効率は1kW出力で65%、2kWで56%。そのようなバーは、将来の高エネルギークラスレーザファシリティで重要な役割を果たす可能性がある。現在、FBHチームは、これらのバーの電気-光変換効率向上に取り組んでいる。