December, 4, 2024, 仙台--東北大学金属材料研究所の山中謙太准教授と同大学未来科学技術共同研究センターの千葉晶彦特任教授の研究グループは、金属を対象とした代表的な3Dプリンティング技術の一つであるレーザ粉末床溶融結合法を用いて、鉄鋼材料とアルミ合金の接合界面において非平衡凝固が得られることを見出し、金属間化合物の形成が著しく抑制されることで強固な接合界面が得られることを実証した。
また、この成果を基に世界初となる実物大の自動車用マルチマテリアル部材(サスペンションタワー)の試作に成功した。
金属3Dプリンタは、金属を積層して造形を行う装置である。近年、金属3Dプリンタによる組織制御に基づく高機能材料や異なる材料を適材適所で組み合わせたマルチマテリアル構造の創製に注目が集まっている。
マルチマテリアル構造は自動車や航空機を軽量化することができ、カーボンニュートラルの実現や省資源化において重要である。しかし金属材料の組み合わせによっては異材接合界面に脆い金属間化合物が形成され、接合強度が著しく低下することが実用化の課題となっていた。
この研究成果は2024年11月19日、積層造形技術に関する専門誌Additive Manufacturingに掲載された。
(詳細は、https://www.tohoku.ac.jp)