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レーザによる超高品質な極浅構造の作成

May, 28, 2024, 京都--京都大学、中嶋隆 エネルギー理工学研究所准教授、曽田圭亮 同修士課程学生(研究当時)らの研究グループは、バルクの金属ではなく、バルクの金属面にごく薄い金属膜を蒸着したものをターゲットとして使用し、極薄金属膜のみをレーザで選択的に除去することによって、超高品質な極浅構造を作成した。
各種材料のレーザ加工は既に様々な用途でなされているが、単一のレーザパルス照射によってレーザ加工痕の周囲にはクレータまたはリムと呼ばれる盛り上がりがナノ秒レーザの場合には顕著に発生し、また、ピコ秒/フェムト秒レーザの場合でもごくわずかではあるが発生してしまいる。レーザパルスを多重照射するとこのわずかな歪みが蓄積するため、レーザ照射位置を空間的に固定または掃引しながら多数のパルスを照射して穴またはライン状の構造を作成する場合には、本質的に歪み発生が小さいピコ秒/フェムト秒レーザ加工であってもリム発生の問題は無視できなくなる。また、一般的なレーザパルスには空間的な強度分布があるため、平坦な底面を持つ微細構造をレーザ加工で作成することも容易ではない。

研究は、これらの問題を解決することを狙ったものである。

研究成果は、2024年3月16日に、国際学術誌「Optics and Laser Technology」にオンライン掲載された。

(詳細は、https://www.kyoto-u.ac.jp)