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材料加工向け超高速レーザを開発中

August, 23, 2023, Bochum--当初、研究アプリケーション向けに開発された技術が産業の関心事にもなっている。
Clara Saracenoは、European Research Councilの助成金で新しい種類のレーザを市場に出す計画である。

レーザは、材料加工の重要ツール。切断、溶接、材料の除去に使える。フェムト秒レーザとして知られる特殊なレーザは、スマートフォンディスプレイや自動車技術向けに必要な高精度マイクロ構造の作製に使える。Ruhr University Bochum、Clara Saraceno 教授は、より安価で効率的なレーザ技術を市場に出す考えである。この目的のために同教授は、European Research Council (ERC)から概念実証助成金、150,000 eurosを受け取る。プロジェクトは、 “Ultrafast 2.1 µm Holmium Lasers for GHz ablation” (Giga2u)、18ヶ月の予定である。

より高速、効率的
標準的なフェムト秒レーザは、1µm波長、数100フェムト範囲の時間幅で光パルスを発する。パルス当たりのエネルギーは、高く、システムは高価である。「もっと高速で効率的な新しいレーザは、コストを下げ、市場にとっての重要技術になる」とPhotonics and Ultrafast Laser Scienceヘッド、Clara Saracenoは、話している。

ERC Starting Grant “TerAqua”の一貫としてClara Saracenoは、現在、2.1µm波長、繰り返し周波数GHz域で動作するフェムト秒レーザを開発している。現在、産業導入されているシステムと比較して必要なエネルギーは少なく、潜在的に信頼度は高い。コスト低減、生産速度向上も約束する。しかし、これまで、そのようなシステムは、分光法など、研究アプリケーション向けにのみ利用されていた。

市場への準備をテスト
Giga2u概念実証助成金は、産業アプリケーション向けに技術の可能性実証を目的にしている。そのようなシステムは、まず、ガラスやポリマの加工で関心があるが、水性組織の切除にも関心がもたれている。後者は、レーザ外科アプリケーションにおける将来の方向にとって役立つ。研究グループは、コンパクトで安定したレーザプロトタイプを開発し、その技術の市場ポテンシャルを探求する考えである。その過程で同グループは、スタートアップの設立準備も行う。

(詳細は、https://news.rub.de/english/)