August, 4, 2023, Pittsburgh--積層造形(AM)技術の強度は、その技術で製造される最も弱い部品によって決まる。成熟したAM技術と見なされているが、レーザ粉末床溶融は、試行錯誤に大きく依存している。品質を保証するために研究者は、構築プロセス中に溶融粉末の温度のようなパラメタをモニタする必要がある。しかし、スピード1m/secでメルトプールが動くときに金属粉末の温度をどのように計測できるか。
Additive Manufacturing誌の新しい研究は、1台の商用カラーカメラを使ってメルトプールの温度を計測する実験法を紹介している。メルトプールの正確な温度計測を使い、不適切な部品になりうる亀裂や空隙につながるキーホールなどの欠陥シグネチャーを予測、特定できる。
「これらメルトプール温度フィールド計測技術や計測そのものは、全く類例がない」と機械工学教授、Jack Beuthは、コメントしている。
「われわれの方法は、どんなカメラにも適用でき、メルトプールをモニタし、よりよく理解できる。これにより広範なAM工程で高品質の部品を生み出せる」と機械工学教授、Jon Malenは話している。
可視色を識別するためにチームは、商用カラーカメラを使った。これは、全ての赤と青ピクセルフィルタに、2つのグリーンピクセルフィルタ搭載センサにベイヤーフィルタを組み込んでいる。各ピクセルが、唯一の色からの光を識別するので、チームは、各ピクセルに対して唯一の計測を行う。モザイク処理という技術を使いチームは、フルカラー画像を再構築し、温度を計算するためにその色の各々の間の比率を計測する。この新しいレシオメトリックアプローチは、表面特性や形態係数に関連する複雑さを回避する。これは、従来のIRイメージングのアプリケーションではAMプロセスへの挑戦となる。
「われわれの分析なしでは、これら液体金属の温度は、興味深いが、メルトプールの物理学を直接説明するわけではない」とAlex Myersは、説明している。同氏は、Malen と Beuthの指導を受けるPh.D候補。「われわれは、実験結果を使って、数値流体力学モデル(CFD)に未知のパラメタを決定した。これは、メルトプールのマイクロスケールで起こっていることについて、さらに多くのことをわれわれに教えてくれる」。
メルトプールのピーク温度は、研究者が製造中の材料気化を理解する際に役立つ。また、メルトプールテールへの勾配は、最終部品のマイクロ構造理解に役立つ。メルトプールの物理学を理解することは、部品の品質を保証する上で極めて重要である。あまりに多くの材料が気化したり、メルトプールが不安定になると、メーカーは、部品が使えなくなり、全く異なる材料特性や欠陥に終わるからである。
「われわれは、現在、AMの科学を研究しており、単にプロセスをモニタしているわけではない」とMalenラボのPh.D候補、Guadalupe Quirarteは、コメントしている。
(詳細は、https://engineering.cmu.edu)