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製造を前に進める新しい3Dプリンティング技術

July, 25, 2023, Edinburgh--研究者は、製造業を変革する3Dプリンティングの先端技術を開発した。

ヘリオットワット大学、センサ、信号&システム研究所のDr Jose Marques-Huesoをリーダーとするグループは、新しい3Dプリンティング法を開発した。これは、近赤外(NIR)光を使い、多材料と多色を含む複雑な構造を作る。

グループは、ステレオリソグラフィとして知られる十分に確立された3Dプリンティングプロセスを改良することでこれを達成し、多材料統合の境界を押し広げた。従来の3Dプリンタは、通常、ブルーまたはUVレーザを液体レジンに適用して、層ごとに選択的に固化し、所望の物体を構築する。しかし、このアプローチの主要な欠点は、材料混合の制約であった。

この最新プロジェクトについての違うところは、レジンバットの遙かに深い位置でプリンティングできるNIR光源を使うことだ、多層プリントする必要はない。

その成果は、産業には途方もないチャンスをもたらす、特にヘルスおよび電気分野など、特殊な部品に依存するものである。

「われわれの新方法の新しさは、以前にはなかったもので、材料のNIR不可視ウインドーを使い、5㎝を超える深さでプリントする、それに対して従来技術は、0.1mm程度が深さの限界。つまり一つの材料でプリントし、後で第2の材料を加え、それを3D空間の任意の位置で固化する、外部表面の上部たけではない」(Dr Jose Marques-Hueso)。

「例えば、全側面がほとんど封止されている空洞キューブをプリントできる。われわれは、次に戻ってきて、全く異なる材料で、このボックス内に物体をプリントできる。NIRレーザは、以前の材料を、あたかもそれが見えないかのように透過するからである。実際、それはNIRでは、完全に透明である」

ヘリオットワット大学、Dr. Adilet Zhakeyev, a PhDは、約3年、そのプロジェクトに取り組んでいる。「溶融堆積モデリング(FDM)技術は、すでに材料を混合できるが、FDMは、低分解能であり、そこでは層が見える。一方、光ベースの技術、ステレオリソグラフィなどは、5µm以下の分解能でサンプルを滑らかにできる。

研究者によると、そのプロジェクトの重要コンポーネントは、改良レジンの開発であった。それは、光アップコンバージョン現象を示すナノ粒子を含んでいる。これらナノ粒子は、NIRフォトンを吸収し、それらをブルーフォトンに変える、それがそのレジンを固化する。これは「非線形」である、つまり、主にレーザの焦点でブルーフォトンを獲得できる、その途中ではない。こうした理由から、NIRは、あたかも透明であるかのように材料に深く浸透し、内部の材料だけを固化できるのである。

新しい3Dプリンティング法により、異なる特性の多材料が同じサンプルにプリントできる。例えば柔軟なエラストマと固いアクリル。これは、靴の製造など、多くのビジネスにとって有用である。その技術は、多くの新しい可能性を開く。キャビティ内に物体を3Dプリントすること、壊れたモノの修復、皮膚を介したインサイチュバイオプリンティングでさえ可能である。

「同じ研究プロジェクトでわれわれは、選択的に銅メッキができるレジンを以前に開発した」とMarques-Huesoは続けている。

「両方の技術を統合することで、われわれは2つの異なるレジンで3Dプリントし、単純なメッキ溶液バスを使うことで、銅にそれらの一つだけを選択的にカバーすることができる。こうしてわれわれは、3Dで集積回路を作製できる。これは、電子産業には、極めて有用である」

この技術は、素晴らしい未来を垣間見せるが、コストは驚くほど低い。

「この技術の明確な利点は、完全な装置が400ポンド以下で作れること。レーザを使う他の先端技術一部、2光子ポリマ化(2PP)などは、数万ポンドオーダーの高価な超高速レーザを必要とするが、これはわれわれのケースではない、われわれの特殊材料は、安価なレーザの利用を可能しているからである」(Marques-Hueso)。
(詳細は、https://www.hw.ac.uk/)